会長挨拶(2022)

和歌山県中小企業団体中央会 会長 玉置 篤

和歌山県中小企業団体中央会
会長 玉置 篤

「健やかな成長を目指して」

 新型コロナウイルスとの付き合いも2年の長きに渡ろうとしています。有史以来最大のパンデミックは我々の生活とビジネスを同時に混乱に陥れました。国内では昨年後半から感染状況が落ち着きを見せたとは言え、大きくバランスを崩したグローバル経済は、不釣り合いな株高、半導体不足に端を発した物資価格高騰と我々中小企業を取り巻く環境は厳しい状態が続いていると言えます。
 一方、昨年は開催が延期されていた東京オリンピック・パラリンピックが無事に開催され、岩出市出身の四十住さくらさんがスケートボードで金メダルを獲得するなどアスリートの躍動は我々を勇気づけてくれました。和歌山県では昨年10月、「紀の国わかやま文化祭2021」が当県初の国民文化祭及び障害者芸術・文化祭として開催され、多くの来場者を迎えることができました。
 中央会の活動は感染防止の観点上、実施できない事業も多数ありましたが、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の窓口など従来からの事業に加え、昨年12月に和歌山城砂の丸広場で開催された「和歌山くみあい祭り」は予想をはるかに上回る3,000人を超える来場者を迎えることができました。ただ、懇親を深める事業は未だに実施できず、東京・有楽町にある和歌山県産品のアンテナショップ「わかやま紀州館」の運営は規模を縮小した状態が長く続いています。
 2022年は本格的な経済の回復を期待する一年となりますが、図らずも新型コロナ禍で見えてきた現実も直視せねばなりません。80年代に圧倒的な競争力を誇った半導体をはじめとする産業は徐々に競争力を失い、いつの間にか他国に依存せざるをえない状態となりました。詮無いことかもしれませんが、中小企業も現実から目をそらさず認識する必要があります。
 人類は命に係わる感染症を少しずつ克服しつつあります。崩れたバランスを取り戻す日も近いでしょう。
 「悠々と歩もう」。組合員の皆様には、焦らず、足元を踏み固めながら、今できることを確実に実行に移し、「健やかな成長」を目指しましょう。中央会もその一助になれば幸いです。
 最後になりましたが、感染症の最前線で日々踏ん張っておられる医療従事者や関係各位の皆様に感謝申し上げるとともに、本年が健やかで明るい未来を予想させる年になりますよう祈念し2022年の挨拶とさせていただきます。