【2021年8月分】景況調査

【2021年8月分】前年同月比の景気動向

増加・好転  不変  減少・悪化
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売上高 収益状況 資金繰り 業界景況
製造業 食料品
繊維・同製品
木材・木製品
印刷
化学・ゴム
窯業・土石製品
鉄鋼・金属
その他
非製造業 卸売業
小売業
商店街
サービス業
建設業
運輸業
DI値 − 17.5 − 25.0 − 15.0 − 27.5

(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)

製造業

食料品

 原料材始め、全般に値上がりしてきており、販売価格を上げざるを得ない。売上低下が心配。(パン・菓子製造)
 8月の長雨の影響か、コロナ禍だからか、お盆前まではある程度販売は動いていたが、お盆以降は鈍化した。また、梅干の土用干が例年より遅くなっている。(その他の食料品製造業)

繊維工業

 コロナ禍以前の水準まではいかないけれども、回復基調。今後の推移に注目。(その他の繊維製品製造)
 8月の売上は7月に引き続き、前年同月よりかなり増加しました。これは手袋の新しい用途先からの需要があったものです。手袋に限らず、商品の用途や流通形態が大きく変化しているように感じています。綿糸などの輸入量が減少していて、組合員が必要としている原料糸の調達が難しくなっています。また、繊維業界の停滞などから、国内の余剰糸なども減少していて、単価も値上がりしています。(毛皮製衣服・身回品製造)

木材・木製品

 コロナ禍で、建設現場のストップ感があり、建具表面材を供給するラッピングメーカーもストップしているところも出てきている。さらに、原材料価格の高騰で、見積価格も安定できないでいる。方や、公共事業は動きつつあるが、当業界の大半が対象外であるため、景況感は悪化を呈している。(建具製造)
 全国的に米材、欧州材の供給減少が続いており、値上がりが続いていたが、先月末頃から上げどまり、高値水準が浸透している。令和3年7月の新設住宅戸数は全国で77,182戸と5カ月連続の増加、持家、貸家、分譲住宅が増加したため、全体で同月比9.9%の増となった。持家は9カ月連続の増加で前年同月比14.8%増加、民間資金が9カ月連続の増加、公的資金は3カ月連続の増加となった。貸家は5カ月連続の増加で、前年同月比5.5%増、分譲住宅は先月の減少から再びの増加、一戸建住宅が3カ月連続の増加。県内の新設住宅戸数は455戸で前年同月比29.3%の増加で、貸家の150%の増加が目立っている。全国のプレカット工場の状況は、木材製品の段階的な値上げ、不足が続く中、受注制限が続いている。県内では、調達先によって稼働率の二極化がさらに進む気配。国産材への代替もあまり進んでいない。(製材業)
 物件数減少に伴う価格低下。通常の見積価格では、ほぼ受注不可能となっています。逆に採算割れや、低コストで運用している個人経営の事業所は、稼働率がかなり上がっている様です。とは言え、低価格競争に入っていく訳にはいかないので我慢が強いられています。雇用調整助成金が延長され、資金繰りへの影響は緩和されています。コロナの感染再拡大で、この先の経済がどうなるのか、元に戻っていくのか、新しい様式に変化していくのか、見極めが難しい所で、事業内容の見直しをすべきかの瀬戸際にあると思います。(家具製造業)

印刷

 新型コロナウイルス感染拡大が第5波を迎え、その影響で9/10に計画されていた全印工連主催、和歌山工組主管のCSRシンポジウム「SDGsの視点からみた調達の将来像」が開催延期となった。また、1年延期された全日本印刷文化典長野大会等、大きな行事が軒並み中止または延期に追い込まれている。益々業界の景況が悪化していくことが懸念される。(印刷業)

化学・ゴム

 今月は対前月比では、精密化学品の減及び農薬中間物、有機中間物、高分子の伸びで、出荷量0.8%減も、出荷額5.7%の増であった。対前年同月比では、農薬中間物が減も、染料、有機中間物、精密化学品の伸びで、出荷量24.3%、出荷額24.4%の伸びであった。新型コロナウイルス感染症の影響で厳しい状況にある中、海外経済の回復傾向で前年同月比では持ち直しつつあるが、8月に入りデルタ株等変異株による感染が急拡大し、緊急事態宣言が21都道府県に発令、まん延防止等重点措置が12県に適用され、本県でも新規感染者数が過去最多になるなど、感染急拡大の影響と加えて原材料など仕入れ価格の上昇は、持ち直しつつあった景気への急ブレーキとならないか懸念材料である。(化学工業)

窯業・土石製品

 天候不良による工事の遅れがあり、短期的な出荷減となっている。今に始まった事ではないが、県南部を中心に慢性的かつ危機的な人手不足である。特に若手技術者が少なく廃業を検討する組合員もいる。(窯業・土石製品製造業)

鉄鋼・金属

 昨年同月比で売上高は、約8%の上昇である。原材料不足の影響が深刻化しているので、今後の回復スピードが早まるか?心配である。(金属素形材製品製造業)
 新型コロナウイルスの影響なのか不明であるが、世の中の変化の度合いが極端に大きくなっている。落ち込んでいた水準から大幅に回復する会社がある一方、そうでない会社もあり、今後の業況を楽観視できない。自動車関連部品製造が主力の会社からの情報では、「新型コロナウイルスの感染拡大で、東南アジアなどからの部品調達が滞り、半導体不足と重なって生産に影響が出ている。」そうである。(金属製品製造)

その他の製造業

 前月比売上は、不変か若干の減少。盆休業の影響か。(和雑貨製造業)
 引き合いは、散発的に出るものの継続しない。先行き不透明のまま!(なめし革・同製品・毛皮製造)

非製造業

卸売業

 和歌山県の官庁物件は減少傾向、民間物件は昨年から見ても市場が厳しい状況、国・県・市の補助金対策を提案すべき、いずれにしても電材業界は国交省・県の物件ありきで市場が左右されると判断するが減少している。また、半導体の相次ぐトラブルで空調機器・照明器具・制御機器、その他商品供給が困難になる商品が出始めて納期問題も発生。その他、新型コロナウイルスの感染状況による県内の影響はあると判断致します。市場回復には時間がかかると思われる。倒産の状況は、前年より縮小しているも国の政策にて耐えていると考えられ、返済が始まることにより倒産も増加すると考えられる。また、廃業される企業もあり、市場機能低下は抑えきれない。ワクチンの接種が開始されたことにより期待する。現在、ウッドショックの影響が遅くとも下期から発生し、住宅市場の木材価格高騰・引き渡し延期等関連する会社は売上が左右される。
 2020年末までに決定した融資のうち、国庫66%、民間56%据置期間が1年以内、大半が1年以内の返済設定。今春以降に多くの企業が返済開始、大半の企業が困難と考えられる返済。猶予も考えられるが、状況はどうなるか。(機械器具卸売業)

小売業

 お盆期間のコロナ禍や天候不順による交通量の減少により、8月のガソリン販売量は、全体として昨年の1割減、一昨年の2割減となった。また、長雨の影響で洗車等油外収入も大幅に減少。SS業界にとって厳しい経営環境が続いている。(燃料小売業)
 お盆前後の長雨の影響か、お客様の来店が例年のお盆より少なく、売上、収益が少し減少した。(食肉小売業)
 8月下旬にかけて和歌山県内でも、コロナ陽性者数が増加して、外出を控える傾向となってきました。一方で、各個別店の工夫、努力によりカバー出来ていることもあり、売上は維持できたところです。(時計・眼鏡・カメラ小売業)
 当月はお盆で休日が多く、通常であれば賑わう月であるが、生憎お盆より雨が続き、悪天候の日々が長かった上、新型コロナウイルスの感染拡大が県内においても過去最高になり、来客者は減少したように思われるが、飲食関連業者においては前月と横ばいか上昇気味で推移したようです。また既存客を相手にしている事業所においては、相変わらず売上低下の店舗が増えているが、7月より町当局のご支援を頂き、地域経済の活性化及びコロナウイルス感染症の影響を克服するための消費喚起を目的として30%のプレミアム商品券(2600万円)を発行している為、売上増加事業所が多かったように思われる。(複合業種)

商店街

 第5波と言われるコロナの感染拡大により、不要不急の外出が制限され、商店街への来街者数は依然として増える傾向にありません。自粛疲れの消費者の内、高所得者層の一部による高額商品を買い求めるという行動が、ごく限られた業種で見られるほかは好転の兆しは見られません。商店街活動についてはイベントが開催できず、加盟店舗の売上不振に起因する組合費の負担感の増大等問題が山積してきており、組合の存在意義が問われる事態に追い込まれかねない状況です。よく言われるアフターコロナですが、以前の状況に戻るとは考えにくいと思っています。これだけ長いと、消費者の感覚が定着してしまい、人込みを避けることが当たり前の行動となるからです。新しい生活用式を取り入れた商店街活動を模索していますが、非常に難しい問題だと認識しています。(和歌山市)
 悪天候が長く続き、来客数が減少、売上が相当落ち込みました。商店街は、お年寄りが多いため、悪天候が一番堪えます。(和歌山市)

サービス業

 8月前半の売上は前年を上回っていましたが、お盆を中心とした長雨、さらにコロナウイルス感染拡大により、キャンセルが多く発生しており、売上が減少しています。また、緊急事態宣言解除予定の9月12日まで休館する施設が出てきております。(旅館・ホテル)
 8月の対前年同月比の宿泊人員は106.6%、総売上高97.3%、1人当消費単価91.2%、総宿泊料金105.5%、1人当宿泊単価99.0%で、対前々年同月比の宿泊人員は75.3%、総売上高84.0%、1人当消費単価111.6%、総宿泊料金81.5%、1人当宿泊単価108.2%だった。2021年1月~8月の宿泊人員は369,624人で、前年同期間(2020年1月~8月)と比べると44,332人の増加である。(白浜温泉旅館協同組合)
 他府県の緊急事態宣言の延長等により、本県でも売上が減少している。ただ県民は来ないが、他府県の客がかなり増加している。休業・時短している店が増加している。スナック等は全く客が来ない。コロナ禍で売上が減少し、休業している店舗が多い中、新規開店が続いている。公庫等の貸付が受けやすくなっていると考えられる。(飲食業)
 今月は車検台数が少ない月でした。全国的に上半期の新車の登録台数は、前年度比11.6%増、中古車の登録台数も前年度比4.2%増となりましたが、コロナ禍前の台数までには回復していません。(自動車整備業)
 日車協連ではWebサイト、インターネットを活用した新たな広報戦略を打ち出す。それが位置情報(ジオタグ)広告や検索キーワード連動型(リスティング)広告の活用、発信によるWeb広報の強化である。Webサイトなどを閲覧・利用する事業者に対して、各地域や検索内容・行動に沿った配信が可能となる位置情報広告、検索キーワード連動型広告などを活用し、全国の車体整備関係者に効果的に情報を発信する。さらに、それらのユーザーを誘導するランディングページ(LP、検索結果や広告などを経由して利用者が最初にアクセスするページ)により、Webサイトでの情報発信でどのようなPR効果があったのかを分析。Webサイトやインターネットを利用する事業者の関心や興味を引く、より効果的な情報を発信することで、日車協連の認知度向上やホームページへの誘導を促す考えだ。(自動車車体整備業)

建設業

 今月は「電気使用安全月間」(経済産業省主唱)でした。多くの組合員さんには、電気安全啓発の活動や、ボランティアによる電気設備点検等の活動に参加頂きました。(電気工事業)
 各事業所に問い合わせたところ、やはり良い返事は返ってきません。ワクチンで景気回復したとしても、繁栄できる企業とできない企業に分かれるため、かなり建設関連に対しては悪化するように思われます。地方の方が住宅着工は悪化していますね。倉庫は建っても工場が建たないような状況です。(板金・金物工事業)
 公共工事の受注高は増加傾向です。当地域において、先月からコロナウイルス感染が拡大し、建設業にも多少影響が出ています。(一般土木建築工事業)
 県工事8月の組合員受注額は、前年同月比30%減となりましたが、8月の県工事の発注件数、発注金額が大幅増となっているため(未契約)9月の受注額は、増となる見込み。(一般土木建築工事業)

運輸業

 運送品目(業種)ごとの好不調による影響に加えて、コロナ禍の影響も大きいと思われるが、その内容が一律でないために業界の動向分析が難しい。当業界で主要な原価を構成する「燃料価格(軽油)」は久しぶりに前月からダウン(△2.0円/ℓ)となったが、前年同期からは依然プラス(19.6円/ℓ)となっており、経営を圧迫している。(一般貨物自動車運送業)
 原油価格は、コロナウイルスのインド型の感染拡大による景気減速の観測などで軟調に推移している。(一般貨物自動車運送業)