【2021年11月分】景況調査

【2021年11月分】前年同月比の景気動向

増加・好転  不変  減少・悪化
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売上高 収益状況 資金繰り 業界景況
製造業 食料品
繊維工業
木材・木製品
印刷
化学・ゴム
窯業・土石製品
鉄鋼・金属
その他
非製造業 卸売業
小売業
商店街
サービス業
建設業
運輸業
DI値 17.5 − 12.5 5.0 − 15.0

(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)

製造業

食料品

 原油高の影響で、苺栽培用のビニールハウスに使用する灯油が値上がりで、クリスマス用苺の価格高騰が心配だ(洋菓子店)(パン・菓子製造)
 年末を控えているが、販売は伸びていない。量販、土産の動きも鈍い。梅原料は余り気味である。(その他の食料品製造業)

繊維工業

 原油価格(合繊、ポリエステル、輸送費等)の高騰と原材料の値上がりと品薄がどのように影響が出るか懸念される。(その他の繊維製品製造)
 傾向的には回復にあるものの低調である。原材料価格の高騰が収益を圧迫している。(その他の繊維製品製造)
 年末を控えて11月の売上が増加しました。綿糸など原料だけでなく建築資材などの輸入も滞っているようで、国内での調達需要が増えている影響が出ているようです。原料糸や資材の価格が高騰してきて、企業内で吸収できる範囲を大きく超えてきました。全般的に年明けから商品価格の引き上げを行わなければなりませんが、この値上げに消費者が付いて来てくれるか?中小零細企業としては一番気掛かりな点です。(毛皮製衣服・身回品製造)

木材・木製品

 原油価格が高騰している中で、それに関連する材料は価格が時価状態で変動している。契約済みの建築案件は休止出来ず続行を求められ、やむなくそれらの仕事が続いている状態で、それが終了した時点以後の建築着工回復への先行きは不透明である。さらに当業界を支えている人員も低賃金化で離職者が目立っている。(建具製造)
 国産材原木の状況は11月も天候が安定したこともあり、出材増、高値が目立ったヒノキを中心に値下がり傾向が見られる、県内では出材量は増加傾向、ヒノキの材価は2万円台が続いている。令和3年10月の新築住宅戸数は全国で78,004戸と8カ月連続の増加、持家、貸家、分譲住宅が増加したため、全体で同月比10.4%の増となった。持家は12カ月連続の増加で前年同月比16.6%増加、民間資金が12カ月連続の増加、公資金は6カ月連続の増加となった。貸家は8カ月連続の増加で、前年同月比14.5%増、分譲住宅は再びの増加、一戸建住宅が6カ月連続の増加。県内の新設住宅戸数は420戸で前年同月比16.7%の増加、持家が60%増、貸家が60%減。全国のプレカット工場の状況は、木材不足が一時に比べると緩和したが、木材以外の資材も値上がりしてきている。受注は好調だが木材価格高で収益性が下がっている。県内では、一部で合板不足が見られるが、年内の仕事量は確保している状況。(製材業)
 資材等が入手できなくなっている。又は、値上がりにより、納品日の遅延や受注のキャンセルが発生しています。新規見積りについても受注時の材料価格が全く読めないので、高い目の値段を出さざるを得ず、失注してしまうケースが多くなっています。年末に向けては思ったより動きが少なく、値上げが伸び悩みそうです。「ゼロゼロ融資」を少なからず運転資金としている事業所では、当社を含めて返済開始後の収支の見通しが立っていません。来春までに経営の立て直しをする必要があります。世界中が良くない状況の中、先行きが不安です。(家具製造業)

化学・ゴム

 今月は、対前月比では染料、医薬品が好調も、医農薬中間物の減が大きく、出荷量2.1%増も、出荷額22.7%の大幅な減であった。対前年同月比では、農薬中間物が減も、染料、有機中間物、精密化学品の伸びで、出荷量17.2%、出荷額13.3%の伸びであった。ようやくコロナの新規感染者数が減少傾向にあり、人流抑制も緩和され、少しずつ経済活動が正常化されるに伴い、一進一退の域であるが、順調に回復傾向の処と、売上・稼働率ともに低位なままの処と二極化が見受けられる。原材料の品薄、価格高騰、原油価格の高騰、円安等コストアップが続く中、新変異型オミクロン株の感染拡大が今後心配され、第6波だけは避けたいものである。(化学工業)

窯業・土石製品

 公共事業の発注額は伸びているが、生コンクリートを使用した工事の減少が顕著である。業界をあげて対処していく必要がある。(窯業・土石製品製造業)

鉄鋼・金属

 売上高は、前年同月比で、9%アップした。依然として、半導体不足、コネクター不足、海外調達部品の不足で、顧客の生産が一進一退の状況です。(金属素形材製品製造業)
 全体としては、業況が改善した事業所が多くなっているが、会社の規模や、扱う製品が自社製品か下請であるかや、その製品の使用される業界の景況により、新型コロナウイルス感染症の影響の有無や大きさ、その後の回復状態に大きな差が見られる。(金属製品製造)
 前回より変化なし。(複合業種(金属))

その他の製造業

 仕入れ価格上昇傾向。前月比売上高は諸種。(和雑貨製造業)
 少しずつではあるが、引き合い数が増えつつある様に感じられる。年末に向けて好転(?)を期待したい。(なめし革・同製品・毛皮製造)

非製造業

卸売業

 11月度の半導体不足の影響で、商品供給が困難な状況。半導体以外に部材不足も深刻化しており、空調機器・住宅設備、給湯器、照明器具・制御機器の供給の目途が立たない状況。商品供給状況が改善しない限り、市場回復には時間がかかると思われる。新型コロナの影響は、依然続いており、感染者数が減少しても、新たな変異種の影響で今後の状況も不透明である。2020年末までに決定した融資のうち、公庫66%、民間56%、据置期間が1年以内、大半が1年以内の返済設定。今春以降に多くの企業が返済開始、大半の企業が返済困難と考えられる。返済猶予も考えられるが、状況はどうなるか不明。(機械器具卸売業)

小売業

 原油価格高騰がコロナ禍からの経済回復の重荷になる事態を防ぐため、政府は、11月、燃料油価格激変緩和対策(最大5円を元売に補助)、米国と足並みを揃えての国家備蓄石油の一部放出を決定したものの、その効果が限定的となっていた中、欧州などの新型コロナ感染再拡大に加え、変異株「オミクロン株」への警戒感から原油の国際相場が急落。OPEC(石油輸出国機構)とロシアなどの産油国からなるOPECプラスの動向も注視する必要があるが、世界経済の先行きへの懸念は急速に高まっており、今秋の国内感染者数大幅減による経済回復・石油需要回復への期待感から一転して、石油販売業界への今後の影響が危惧される。(燃料小売業)
 小売の環境は平常時に近付いてきた様です。(時計・眼鏡・カメラ小売業)
 町内飲食・観光関連事業所においては、当月は寒くもなく天候も良い日が続き、また新型コロナウイルス感染拡大も小康状態が続いた上、和歌山リフレッシュプランや、PayPayの支払いで紀美野町観光協会(対象店舗のみ)より20%付与と地域街のお店で20%付与合計40%付与や、きみの商業協同組合のプレミアム商品券の発行(プレミアム率30%)等、県や町の地域経済を下支えする対策により、終日町内をはじめ近隣市町村・県外の客で賑わい、売上を伸ばした状況であった。また、町内の既存客を相手にしている事業所においても、上記の対策等により売上が安定している状況である。(複合業種)

商店街

 コロナ禍が落ち着き本格的に経済活動の再開に向けての準備を始めようと考えていた矢先、月末に変異種のオミクロン株が出てきました。今後の見通しが再び不透明な状況となってきています。これから迎える年末の繁忙期への準備にも迷いが生じてきてしまいました。今後の動向によっては、イベント等の中止を検討しなければならないと考えています。
 個店に対する県や市の助成金の案内を行いましたが、知らない方も多く再度周知を行いたいと考えています。国の事業復活支援金についても情報収集を行い、いち早く組合員に案内したいと考えているところです。(和歌山市)

サービス業

 11月の状況は、「わかやまリフレッシュプラン」の利用でランチ及び宿泊のお客さんが好調に推移しており、一昨年の8割程度まで回復してきています。ただ、オミクロン株が今後どう影響を及ぼすのか不安があります。(旅館・ホテル)
 11月の対前年同月比の宿泊人員は85.3%、総売上高83.0%、1人当り消費単価97.3%、総宿泊料金83.9%、1人当宿泊単価98.4%だった。
 2021年1月~11月の宿泊人員は543,406人で、前年同期間(2020年1月~10月)と比べると7,937人の減少である。(白浜温泉旅館協同組合)
 客足は戻りつつあるが、団体客が少なく、思ったほど売上が伸びていない。予約がなく2人位の客数が多い。ランチ等をやっている店は安定している。少しは改善されてきているが、まだまだ厳しい。公庫等の借入れ申し込みがほとんどない。(飲食業)
 年に一度受けなければいけない法定研修の「整備主任者(法令)研修」と「自動車検査員研修」が近畿運輸局管内はコロナウイルス感染拡大防止で、各自研修資料とYouTubeで視聴しながらの自主学習となりどうなるか不安でしたが、聞き逃した場合や理解できなかった場合にもう一度戻って視聴することが出来るのでとても好評で、コロナ等関係なく次からもこの方法の研修会を希望する人が多い結果となりました。(自動車整備業)
 自動車技術の進化に対応した安全・安心な車体整備のための高度化対応設備を導入し、これらの設備を適切に使用できる優れた知識と熟練した技能を有する人材の育成が不可欠となる。併せて、車体整備における作業分野ごとの連携・協力体制の模索、構築など、車体整備業界のさらなる高度化・活性化に向けた取り組みを今後も推進、拡充する方針である。(自動車車体整備業)

建設業

 半導体の不足により、電材の供給が遅くなり、支障をきたしています。(電気工事業)
 前月と比べると落ち着いてきている業況なのですが、来年2月頃に鋼材価格が値上がる見込みなので、お客様が値上がりが落ち着くまで工事を見送る物件もあります。住宅関連はウッド関係で遅れていますが、倉庫工場などは、順調に工事はあるようですが、暇な所と忙しい所が現れ出しています。(板金・金物工事業)
 公共工事の受注高は、全体的に減少しています。相変わらず、現場作業員、交通誘導員の人手不足が続いています。(一般土木建築工事業)
 県工事11月受注額は、前年同月比60%減となっていますが、受注が9月に集中した結果であり、4月から11月までの受注実績は前年を上回っています。ガードマンの不足が続いています。(一般土木建築工事業)

運輸業

 運送品目(業種)ごとの好不調の差が大きくなっている。業界全体の動向分析は難しく、地域運送業界の実情は地域の企業動向並びに個人消費に連動する。「燃料価格(軽油)」の高騰に加えて、尿素水(排気ガス浄化用)の供給不足並びに値上げにより経営環境が一層厳しくなってきている。(一般貨物自動車運送業)
 原油相場は新型コロナウイルス禍からの経済活動の再開で、エネルギー需要が増加することと、産油国の増産ペースが緩やかなことや円安も重なり、調達コストが上昇している。(一般貨物自動車運送業)