景況調査

【2025年5月分】前年同月比の景気動向

増加・好転  不変  減少・悪化

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業種売上高収益状況資金繰り業界景況
製造業食料品
繊維工業
木材・木製品
印刷
化学・ゴム
窯業・土石製品
鉄鋼・金属
その他
非製造業卸売業
小売業
商店街
サービス業
建設業
運輸業
DI値-12.5-52.5-20.0-55.0

(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)

製造業

食料品

 梅の収穫が始まり、青梅の買入価格は高い傾向で収穫量は平年比7~8割との見込みである。秀品、A級は例年よりも少ないが、梅の塩漬けはこれから本格化する予定である。(食料品製造業)

繊維工業

 為替の変動へ目を向け、対策が必要であると感じている。(繊維工業)
 今月の売上は前年同月と比較すると増加している。製造経費の増加分を販売価格に転嫁してきているので、売上金額は増加してはいるが、全般的な注文数量は減少傾向にある。販売数量が減少する中、個人も含めて顧客が要望する特注品の製造に注力していきたい。また、収益状況については、商品により格差が大きくなっている。(繊維工業)

木材・木製品

 資材費は高騰し、人手は足りず現状の労働力は高齢化が進み、製品の製造コストは上昇している。また、ホワイトウッドについては国際競争力に負けており日本においては割高な資材価格となっている。住宅需要については人口減少だけでなく土地は高くなっており、給料も上がらないので住宅購入は進まず低調が続く。現状だけでなく将来展望においても明るい材料がない。売り上げが上がっているのは前年同月がかつてないほど悪すぎたためである。このような状況を改善するため弊社としてはアパートなどの非住宅物件に営業の幅を広げている。総コストの点で木造の競争力は少しある。投資額が低く抑えられるためサラリーマンであってもオーナーになるケースがある。しかしながら、大きく収益を改善するまでには至らない。我慢すればこの先良くなるといった見通しを持てないのが苦しいところである。(木材・木製品製造業(家具を除く))
 例年通り閑散期に入っている。現状は、短期納期の突発的な受注に応えるだけで、仕事量は激減している。リフォームを中心とした建築業界が求める建具は安定供給可能な既製品へと向いている。(家具・装備品製造業)
 製造業の受注量・プレカットの生産加工量はともに減少した。また、県内の原木市の単価は横ばいである。(家具・装備品製造業)
 例年、閑散期に入る時期ではあるが、4月からの持越しの依頼や残工事があり、売り上げは昨年比で増加した。ただ、新規の見積もり依頼が一気に減少しており、今夏にかけては売り上げ減となる見通しで、これまでの蓄えで乗り切れるかが不安要素である。オーダー家具の納品先は9割近く阪神方面か、時に東京都内で、和歌山に納める機会はほとんどないので、製造元の多い地元でもう少しアピールできないものかと考えている。(家具・装備品製造業)

化学・ゴム

 日米関税交渉の動向を注視している。また米国に高関税を課された中国がアジア諸国への市場進出を強めるのではないかと注視している。(化学工業)

窯業・土石製品

 単月の出荷量は前年に比べ約1割減少,先月に比べ約2割減少した。公共工事の発注状況に左右され浮き沈みが激しくなっている。また、公共工事自体も減少している。県内の地域格差は広がる一方である。(セメント・同製品製造業)

鉄鋼・金属

 今月の受注高は、昨年同月とあまり変わらなかった。(金属製品製造業)
 全体としては、売り上げ状況は少しずつ改善されてきており、好調といえるが、自動車関連部品製造企業ではまだまだ生産の停滞が続いている。しばらく見通しが立たない状況である。また、価格転嫁については各企業、苦慮している。(金属製品製造業)

その他の製造業

 5月下旬に東京レザーフェアが行われたが、商品の注文に直接結びつきそうな手ごたえをあまり感じなかった。(なめし皮・同製品・毛皮製造業)
 全ての製造業を取り巻く状況だと思うが、原材料価格、資材価格、経費の上昇が繰り返し起こることによる価格変動に対応するための作業費も増え、この経費もまた収益を引き下げる要因になっている。何が適正な価格か分からない状況である。(その他の製造業)
 現年の対前月比売上高は新生活準備も終わり減少した。(その他の製造業)

非製造業

卸売業

和歌山県内における業況は、変化はなく、低い水準となっている。また民間の設備投資においても低調で昨年と同水準であった。雇用人員については、4月1日より新年度となり新入社員が入社しているが、人口の減少と売り手市場の中初任給のベースアップを行う大企業も多く、和歌山県内での人材の確保が益々難しくなる状況である。また、アメリカの政策の影響で株価や為替が変動し資材価格が安定しない状況が続いている。(機械器具卸売業)

小売業

仕入れ価格が上がり、販売価格を上げ、価格転嫁はできたが、物価高騰の折、消費者の買い控えの影響で、収益は不変である。(飲食料品小売業)
中小企業者に関する国等の契約の基本方針が閣議決定され、今年度も中小の石油販売業者に対する配慮が盛り込まれ、災害協定や随意契約、地域要件の設定等に関する文言が盛り込まれた。また、今年度新たに燃料油価格激変緩和対策事業の今後の制度変更等を見据え、契約金額変更への迅速かつ適切な協議を行うことが盛り込まれた。(その他の小売業)
来客数の減少が目立ち、低調な販売状況である。(その他の小売業)

商店街

空店舗が老朽化やその他の事情により取り壊され、空地・更地が増えつつある。このままでは、商店街という空間が崩れて行きかねない状態である。(複合業種(和歌山市))
米の価格を筆頭に何もかも値上がりの中、消費者の購買意欲が薄れたままの状態である。よって来客数もかなり減少している。(複合業種(和歌山市))

サービス業

消費者に対する和歌山県のLPガス料金支援値引きを4月に続いて実施している。ガス機器販売は、依然低調であり、メーカーからの仕入れ価格も上昇し、利益は減少している。(ガス業)
5月の状況は、去年並みか2~3%減少している。ゴールデンウイークは去年並みの施設が多かった。和歌山市のビジネスホテルでは、剣道大会、ライブ、コンサート等のイベントが有り宿泊客が多かった。今のところ大阪関西万博からのお客は無い。むしろ万博に観光客を取られている感がある。(宿泊業)
5月の対前年同月比の宿泊人員は125.3%、総売上高118.2%、1人当り消費単価95.4%、総宿泊料金116.0%、1人当宿泊単価92.6%だった。2025年1月から5月の宿泊人員は316,339人で、前年同期間(2024年1月から5月)と比べると27,002人の増加である。前月同様、アドベンチャーワールドへの入園客が多く、例年になくにぎわっている、(白浜温泉旅館協同組合)
5月の売り上げ及び客数は、昨年のゴールデンウイークより増加しており、一部の業種を除き、コロナ禍前を超えている店舗もみられるが、厳しい店舗も数多くある。現在、友人・家族の飲み会が増加している。ランチタイムは賑わっているが、夜はそうでもない。店舗により売り上げの増減がまちまちである。温泉・観光地の飲食店は旅行客やインバウンドによる外国人等により賑わっているが、ほとんど影響がない地域が多い。万博による来県者を期待していたが、和歌山にはあまり影響がない。また、コメをはじめとする原材料価格の高騰が続き、それに加え、水道光熱費や従業員の人件費上昇などが店の経営を圧迫しており小規模の飲食業者が苦境に立たされている。収益は、繁盛店とそうでない店との格差が進んでいる。(飲食店)
仕入れ価格に落ち着きが見られず、収益状況を圧迫している状況が続いている。(自動車整備業)
原材料費は上昇しているが、入庫台数の減少等、採算が合わない。(自動車車体整備業)

建設業

当月の県工事受注額は、前年同月とほぼ同額となっている。(総合工事業)
公共工事の受注高は引き続き減少している。地域全体で受注高が減少しているので、組合員の中でも仕事がないという声が多く聞こえてきている。年度末に2社の退会があった。(総合工事業)
全体的に工事の経過はあまり芳しくないような状態である。倉庫関連の工事は好調であるが、住宅関連の工事の受注は例年の5割程度と業績が悪化している。資材工事単価が上昇し、顧客がいてもローンが通らないケースが目立っているようである。特に屋根のリフォーム関連工事は底冷え状態が続いている。(職別工事業(設備工事業を除く))
全体的に目立った変化はなく、横ばいの状態が続いている。組合として今期は業務効率化や経営力の強化、人材確保対策の講習に重点を置いた取組みを考えている。(設備工事業)

運輸業

和歌山県内における業界の景況は、変化はなく低い水準となっている。民間の設備投資においても低調で昨年と同水準の原材料やエネルギー価格の高騰で、商品価格は上がっているが、現状、販売での影響は無い。アメリカの関税の影響は、当組合において現状無いが、今後においては不透明である。また、人手不足については解消されておらず人材の確保が課題である。(道路貨物運送業)
5月は稼働日数が少なく受注量も少ないと思われる。軽油の価格は、補助金の関係で10円近く下がっているが、相変わらず高値である。(道路貨物運送業)