景況調査

【2024年2月分】前年同月比の景気動向

増加・好転  不変  減少・悪化

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業種売上高収益状況資金繰り業界景況
製造業食料品
繊維工業
木材・木製品
印刷
化学・ゴム
窯業・土石製品
鉄鋼・金属
その他
非製造業卸売業
小売業
商店街
サービス業
建設業
運輸業
DI値-12.5-35.0-20.0-30.0

(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)

製造業

食料品

 販売は平均的な売上げで推移している。原料在庫は潤沢にある。(食料品製造業)

繊維工業

 物価高による個人消費の低迷で、商品の売れ行きが良くない。また、技能実習生の制度改革の動向に注視している。(繊維工業)
  毎年継続して発注のあったものが無くなった、あるいは遅れているという話が何件か出てきており、今後影響が出てくる可能性がある。(繊維工業)
 2月の売上も1月に続き減少が続いている。原料高に続き、商品の梱包資材費(ダンボール、PP袋、口紙等)も値上がりしていて、商品の販売価格の決定に苦慮している。組合員の製造現場では、人手不足や製造経費増などで生産能力の減少が見られる。得意先からの注文の価格や数量に対応できずに「注文を断った」との声も聞こえる。(繊維工業)

木材・木製品

 2月のプレカット受注は1月並みの低水準で移行し、各工場とも苦戦している。各工場とも生産量は前年比10~30%の減。新築着工不振を背景にした実需不足が決定的で、工場稼働率が伸びない状況が長引いている。例年1月~2月期は受注が伸びない時期だが、今年はいつも以上に不振を指摘する声が多い。そうしたなか、非住宅やアパートの受注で稼働率を維持しようとする動きが多い。また、4号特例縮小に向けて、プレカット工場では構造計算の対応を強化する動きも出ている。木材の仕入れでは、欧州関係の在庫が少ないうえ、スエズ運河周辺での紛争の影響による納期延長などマイナス条件が重なり厳しい局面が続くものと予想される。(木材・木製品製造業(家具を除く))
 受注先の工務店は、原材料不足、原材料価格の高騰及び人員不足などに起因する着工控えにより、当業界は長期的に低迷状態が継続している。その反面、年度末を迎え、当組合員のごく一部であるが、マンション物件を扱うフラッシュ製造の仕事量は存在している。しかし、その大半が原材料等の支給仕事で利幅の少ない仕事となっている。(家具・装備品製造業)
 製材業は少し増加した。プレカットの生産加工量は横ばいで、県内の原木市の単価も横ばいである。(木材・木製品製造業(家具を除く))
 当月は、大阪を中心に店舗、施設系の工事に伴う家具工事が多く、稼働率が上昇した。得意先以外の問い合わせや短納期の物も多く、大阪周辺の工場でも稼働率がオーバーしているよう。インバウンド需要に対しての店舗等の改装と、決算期が重なっているものと思われる。3月末まではこのままの状態が続く予想。引き続き優良人材不足が課題である。先細り傾向の技術職の地位や待遇をもう少し改善できないかと常々考えている。(家具・装備品製造業)

化学・ゴム

 出荷量、出荷額ともに対前年比で伸びてきているが、収益が伸びてはいない。為替相場は150円台で依然として円安傾向が続いている。(化学工業)

窯業・土石製品

 前月と変わらず、前年比微増の状態が続いている。県南部では大型工事の需要により出荷量が増加傾向にある。(セメント・同製品製造業)

鉄鋼・金属

 国内需要の伸び悩みや海外向けの在庫調整により、売上高は前年同月比で約9%の減少となった。(金属製品製造業)
 全体として、業績が好調な事業所が多くなっているが、会社規模、受注部品の内容により差が大きくなっている。また、自動車関係部品を取り扱っている企業については、海外の情勢により先行きが不透明である。 (金属製品製造業)

その他の製造業

 2月後半は非常に厳しい状況であった。サンプル注文も減少し、先行きがかなり不透明である。(なめし皮・同製品・毛皮製造業)
 製造者が次々とやめていき、廃盤になった商品が増えてきている。この業界は分業制なので、特定の職人がいなくなると商品が全く作れなくなる可能性がある。(その他の製造業)
 対前月比売上高(1月→2月)は例年通り減少。3月から4月の新生活需要に期待している。(その他の製造業)

非製造業

卸売業

 前月と同様に建築資材、特に電線等の供給については改善が見られない。運送業での2024年問題における、運送費の価格の値上げ、勤務形態における要望等の話が徐々に出てきている。和歌山県内の業況においては、変化はなく低い水準となっている。人手不足は解消されておらず、人材の確保が課題である。(機械器具卸売業)

小売業

 今冬は、少し寒い期間があったが、すぐに暖かくなって灯油の需要が低調のままシーズン終盤戦に入っている。能登半島地震による被害状況の詳細が明らかになるにつれて、紀伊半島で発生が予想される大規模災害の発生時においては、半島の各地に分散立地している中小SSがネットワークを活かしてエネルギー供給の拠点となることが期待されていることを一層実感した。また、燃料油価格激変緩和事業の夏ごろまでの延長が予想されており、同事業の出口戦略がどのようになるかを注視している。燃料油需要の縮小傾向が強まっており、店主の高齢化と後継者不在などを理由に廃業が出てくる懸念がある。和歌山市内のセルフ市況の改善が進まない。ガソリン価格が、他府県と比べて安すぎる分収益を圧迫している。安値業者による廉売により価格競争が激化しており、適正マージンを確保できる市況の構築が急務である。(その他の小売業)
 宝飾品メーカーの値上げ、時計メーカーの修理料金値上げなどがあった。(その他の小売業)

商店街

 商店街を構成する業種のうち飲食やサービス業の景況はやや上向きになっているように感じるが、物販店の景況は依然として厳しいものがある。仕入れ価格の上昇について価格転嫁が出来ている業種と転嫁に対し顧客が敏感に反応するため転嫁が困難だと判断している業種との違いであるように思われる。本年春以降の賃上げの動向によってはこの傾向が続くと思われる。商店街の若手チームの発案で、能登半島地震チャリティーイベントを開催する。社会貢献を行う商店街をアピールすることで、イメージアップが出来ればと考えている。(複合業種(和歌山市))

サービス業

 LPガスの輸入価格高騰はやや落ち着いてきているものの、円安の影響で仕入価格は若干値上がりしており消費者価格の値上げも検討しているが、ガス離れを懸念しほぼ実行出来ていない。元旦に発生した能登半島地震により、地域での防災意識が高まっている。LPガス関連の防災用品に関する問い合わせ等が増えてきているなかで防災訓練等に積極的に参加し啓蒙活動をする事業者が増えてきた。(ガス業) 売上は対前年度同月比10%アップの状況。インバウンドについては、中国、香港、韓国、欧米が多く、徐々に増えてきている。宿泊料金を値上げしている組合員も増えてきている。また、自社では解決できない部門を補ってもらうために、外部からのプロフェッショナル支援を受けているところも出てきた。(宿泊業)
 2月の対前年同月比の宿泊人員は120.1%、総売上高129.6%、1人当り消費単価107.9%、総宿泊料金136.2%、1人当り宿泊単価113.4%、だった。2024年1月から2月の宿泊人員は、137,986人で、前年同期間(2023年1月から2月)と比べると17,375人の増加である。(白浜温泉旅館協同組合)
 コロナ感染症が増加しているようだが、売上及び客数は昨年より増加しており、一部の業種を除き、ほぼコロナ禍以前に近づいた。現状は、個人や友人・家族の飲み会だけでなく団体の飲み会が増加している。3月の予約状況も順調である。特に、温泉・観光地の飲食店は旅行客等により賑わっており、売上及び客数も昨年より増加しているが、そろそろ頭打ちになってきそう。一方、原材料費の高騰や従業員の人手不足と賃金の上昇により、収益は横ばいとなっている。インバウンドによる外国人は増加しているが、ごく一部であり、地域により影響の差が大きい。新規創業資金及び設備投資等の借入が回復基調にあると思われるが、融資件数は増加していない。既存店は、コロナ融資の返済が始まり、借り換えなど返済に苦慮している。(飲食店)
 新車の供給が止まったメーカーがあり、組合員の車両販売にも影響が出ている。業界全体の問題点として、人員不足になっている事業者が多いのが現状である。(自動車整備業)
 売上高の減少により、事業を縮小するなど経営が難しくなってきている。(自動車車体整備業)

建設業

 令和6年2月の県工事受注額は当月も前年と同水準を確保しているが、3月契約の発注が予想を下回っており、次月は期待できない状況となっている。(総合工事業)
 公共工事の受注状況は国発注工事は減少、県・市町村工事は前年並みであった。補正予算での未発注工事の年度内発注が期待される。また、労務費が上昇するなか人材確保が困難な状況。(総合工事業)
 当地域での今月の建築工事需要は、予想通り低下した。通常の売上高は、2割から3割程度落ち込んでいるよう。原因として資材高騰の高止まりや物価上昇に伴い伸び悩んでいると思われる。今後の課題として働き方改革によって労働環境を改善することが欠かせなくなり、第一に賃金の値上げができるのか、環境改善ができるのか、工事価格が上げられるのか、中小企業にとって深刻な問題となってくるはずである。(職別工事業(設備工事業を除く))
 先月同様に電線ケーブル不足が逼迫し、新規受注停止・納期遅延が続いている。業界を挙げて国やメーカーに工期延長や供給力強化の要請を行っている。(設備工事業)

運輸業

 2024年問題が間近に迫り、先ずは販売価格・取引条件が上昇並びに好転していかなければならないが、それぞれの荷主業界の動向や荷主個々の対応によるところが大きく濃淡もある。現状は運賃転嫁や輸送条件の向上は未だその途上といったところで、運送業者も荷主も様子見の感。また、他業界(バス・タクシー含む)の賃金改善やアップを受けて、ドライバーが転離職するなどドライバー不足に拍車がかかってきている状況で、荷主の運送依頼を受けられない事象も出てきている。(道路貨物運送業)
 2月の地域の業況については、稼働日数も少ないこともあり良くないように思われる。軽油の価格については高値で安定している。(道路貨物運送業)