景況調査

【2024年8月分】前年同月比の景気動向

増加・好転  不変  減少・悪化

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業種売上高収益状況資金繰り業界景況
製造業食料品
繊維工業
木材・木製品
印刷
化学・ゴム
窯業・土石製品
鉄鋼・金属
その他
非製造業卸売業
小売業
商店街
サービス業
建設業
運輸業
DI値-20.0-47.5-22.5-50.0

(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)

製造業

繊維工業

 先の業況が読みづらく、製造期間間近まで発注が出ないことが増え、対応が難しくなってきている。また加工賃がなかなか上がらず賃金だけが上がり、収益状況が悪化している中、地域別最低賃金の上昇を危惧している状況である。(繊維工業)
 用途に関係なく、一部企業を除き全体的に減少している。(繊維工業)
 8月の売上は前年同月より減少した。原材料価格や人件費などの増加による物価上昇で、消費者の購買意欲の低下が懸念されるところである。(繊維工業)

木材・木製品

 8月のプレカット受注は、再び8割台前半で伸び悩んでいる。7月に9割台まで伸び、前半の不振を取り返すかのように見られたが、その後は盛り上がりに欠けた。新築不振が長引き需要好転の兆しが見つけづらい現状である。プレカット工場により手応えが異なっている様子である。また、猛暑や局地的な大雨で、建築現場が遅延傾向にある報告やビルダーや工務店関係に仕事が少ないことが響いているとの報告があった。年後半も盛り上がりに欠け、前半並みを予想する状況である。(木材・木製品製造業(家具を除く))
 依然として、建築業界は数々の要因により着工控えが続き、当業界もこの影響を強く受け低迷状態が長く継続し、経営的に混迷を深めている。特に、建設業界も含め、当業界の先行きの悪化により人手が遠ざかり、作り手及び後継者不足になっている。(家具・装備品製造業)
 製材の受注量は少し減少し、プレカットの生産加工量は横ばいである。また県内の原木市の単価は安定している。(家具・装備品製造業)
 当月は想定よりも動きが少なかった。そのせいもあり、物件によっては同業者間での取り合いとなりキャンセルになるケースも出ていた。9月から秋にかけてはもう少し活発になる見通しである。人材面では、工程のほとんどが手作業である家具工場は原価率が常に大きくかつ不確定で、利益率は1割弱、間違えば赤字の場合がある経営環境の中、賃上げも行っているが、他業種水準に及ばないのが現状である。まずは適正価格での販売を行えるような営業基盤を作る必要がある。(家具・装備品製造業)

化学・ゴム

 為替が短期間に上下に変動するので事業への影響が読みにくい。(化学工業)

窯業・土石製品

 公共工事の発注具合により県内各地区での出荷量増減のばらつきが大きくなっている。また高速道路工事や災害復旧工事による需要が中心となっている。(セメント・同製品製造業)

鉄鋼・金属

 前年同月比で、売上高は約9%増加した。(金属製品製造業)
 各社で人手不足が少しずつ改善されてきているが、取り扱う部品や製品により、まだまだ厳しい状況が続いている企業もあるので今後注視していかなければならない。価格転嫁については、以前に比べ良い方向に進んでいる。(金属製品製造業)
 販売価格の上昇は、原材料価格の上昇によるもので、収益に変化をもたらすものではない。(金属製品製造業)

その他の製造業

 前年同様に低調に推移しており、特にバッグ類と婦人靴の動きが悪い。当分この状況が続きそうである。(なめし皮・同製品・毛皮製造業)
 現年の対前月比売上高は減少した。(その他の製造業)

非製造業

卸売業

 中小企業は、引続き物価高や人件費の上昇が負担となっている。そのため、人手不足は解消されておらず人材の確保が課題となっている。また為替相場が円高方向に振れている事で製造、卸売りの採算が改善傾向になりつつある。今年4月から運送業における年間960時間上限規制が適用され労働時間の短縮により、輸送能力が低下する事が懸念されているが、現状は配送での締め時間が早まるくらいで支障は少ない。ただ物流コストは上昇している。(機械器具卸売業)

小売業

 今年で8年目を迎える『満タン&灯油プラス1缶運動』が9月1日から全国一斉にスタートした。1月の能登半島地震をはじめ地震や台風豪雨などによる自然災害が各地で頻発していることから各家庭においても「石油の備蓄の重要性」のさらなる浸透を図っていく。今夏はお盆期間中も含め猛暑が続き、一定の需要増はあったものの、普通の休日と大差はなかった。また洗車やバッテリーなどの油外部門も需要は増えたものの大幅増とはならなかった。(その他の小売業)
 地震や台風などの予報が実態以上に報道されたこともあり、ホテルや飲食ほどではないが来客数は減少した。(その他の小売業)

商店街

 南海トラフ巨大地震注意の発令や迷走台風の影響により、消費が特に落ち込み、苦しいひと月であった。(複合業種(和歌山市))
 8月最終週の台風予報より客足が遠のき、売上が下がった。(複合業種(和歌山市))

サービス業

 ガス器具の販売が低迷するなか、地域の防災訓練等に積極的に参加し、災害時のプロパンガスの優位性や避難時に役立つガス器具関連商品のチラシ等を配布する啓蒙活動を来月より実施予定である。(ガス業)
 8月は南海トラフ地震臨時情報発表に伴い、白浜温泉、南紀勝浦温泉を中心に県下で大規模な宿泊キャンセルが発生した。また続いて、台風10号の迷走の影響で、高野山を含め多くのキャンセルが発生する等、8月は散々な結果となった。(宿泊業)
 8月の対前年同月比の宿泊人員は79.0%、総売上高82.7%、1人当り消費単価104.7%、総宿泊料金85.4%、1人当宿泊単価108.1%だった。2024年1月から8月の宿泊人員は649,665人で、前年同期間(2023年1月から8月)と比べると1,264人の増加である。観光シーズン最盛期に発表された臨時地震情報と迷走台風の影響により多くのキャンセルが発生し、8月における入込は統計史上で2番目に悪い結果となった。(白浜温泉旅館協同組合)
 8月の売上及び客数は、一部の業種を除き、帰省客の増加によりコロナ禍前を超えている店舗が増加しているが、まだ回復していない店舗も多く見られる。特に猛暑によりビアガーデンや居酒屋等は増加している。しかしながら、企業による接待の利用はまだまだ少ない。またランチタイムは賑わっているが、夜は業種により厳しい状況が続いている。温泉・観光地の飲食店やホテルは夏休み客やインバウンドによる外国人等により賑わっているが、南海トラフ地震臨時情報が発表され、訪問客の減少により売上等が減少している。一方で原材料費の高騰が続き、従業員の人件費の上昇により、収益は横ばいとなっている。新規創業資金および既存店の設備投資等の借入が減少しており、経営状況の悪化による廃業店舗も増加している。既存店は設備投資がなく、運転資金の貸し付け希望がほとんどである、またコロナ特別融資の元金返済にも苦慮している。(飲食店)
 業界の景況は良い状態ではないが中古車販売店等の問題は沈静化し徐々に元の状況に戻りつつある。(自動車整備業)
 人手不足により、仕事への制限が必要となっている。(自動車車体整備業)

建設業

 8月の県工事受注額は前年度同月比で、8割弱となった。今後の先細りが心配である。(総合工事業)
 公共工事の発注状況は全般的に昨年並みである。9月から生コン価格の大幅な値上げが実施される。公共工事においては可能な限り早期に設計単価の見直しを実施し、値上げによる損失を最小限に抑えたい。(総合工事業)
 和歌山県内の建設現状は先月とさほど変わらず、住宅関連の受注が減少しており、見積りも減少しているところが多い。9月の材料費の値上げが心配である。(職別工事業(設備工事業を除く))
 特に変化はなかった。廃業による組合員の脱退もあったが、新規加入者の問い合わせ等もあり、員数的には現状維持といったところである。(設備工事業)

運輸業

 2024年問題への対応は様々な形で進んできているが、ドライバーや車両の効率的運用への改善が主となっており、運賃見直しは未だ途上である。ドライバー確保のための給与アップや車両自体や燃料部品の価格高騰など運賃を上げてもらっても追いつかない。さらに金利の上昇など経営環境の改善は厳しい状況が続いている。結局は、運賃が見直されないと根本的に解決できない。(道路貨物運送業)
 相変わらず地域内の荷動きが少ないが、猛暑による飲料水関連商品の荷動きが見られる。また、燃料の軽油が高値で安定しており収益率の低下に拍車をかけている。(道路貨物運送業)