会長挨拶(2025)

和歌山県中小企業団体中央会 会長 玉置 篤

和歌山県中小企業団体中央会
会長 玉置 篤

デフレに戻るな

 新年あけましておめでとうございます。
 能登半島地震で始まった昨年は、国家間の紛争が収まるどころか益々混迷を深めていった一年でした。
 日本経済は「金利のある世界」に戻り、日経平均株価がバブル期の最高値を更新しましたが、中小企業にとっては本格的な景気回復の実感には乏しい年でした。
 今年は、日本の新しいリーダーが個性の際立つ超大国のリーダーとともに紛争を解決に導き、様々な産業を支える我々が着実に足元を固められる一年となってほしいと心から願っています。
 現在の日本経済は二極化が進んでいます。円安の恩恵を享受する大企業は、価格転嫁、賃上げも実現できましたが、地場経済を支える中小企業は立ち遅れた感があります。この状態が続くと再びデフレの影が忍び寄ってきそうです。中小企業は勇気をもって、価格転嫁を実現すべき時です。最低賃金の急激な上昇を前向きにとらえ、賃金の上昇分も価格転嫁していきましょう!
 生産性の改善が叫ばれて久しいですが、DXやAIだけで生産性は改善できません。「生産性の向上=スタッフの能力向上」と考え、賃上げは「投資」と腹をくくることによって、スタッフの守備範囲を広げる戦略に舵を切る勇気が中小企業にも求められています。皆さまの組合には是非その旗振り役になっていただきたいと思っています。中央会は助成金やセミナーでバックアップすることもさることながら、もっと深く事業に関われるよう担当事務局の能力向上に励んでいきたいと思っています。
 国が価格転嫁や賃上げの背中を押してくれている今こそ千載一遇のチャンスです。皆さまが前向きなインフレを実現できる一年になりますよう祈念しております。
 中央会が皆様の「生業を紡ぐ」壮大な取組に寄り添っていけるよう本年も頑張って参ります。