【2023年3月分】景況調査

【2023年3月分】前年同月比の景気動向

増加・好転  不変  減少・悪化
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売上高 収益状況 資金繰り 業界景況
製造業 食料品
繊維工業
木材・木製品
印刷
化学・ゴム
窯業・土石製品
鉄鋼・金属
その他
非製造業 卸売業
小売業
商店街
サービス業
建設業
運輸業
DI値 − 10.0 − 17.5 − 12.5 − 27.5

(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)

製造業

食料品

 梅干しの販売状況は特に改善は見られていない。梅の作柄は平年作との見方もあり、その場合の対策が急がれる。(食料品製造業)

繊維工業

 3月の売り上げは、前年同月とほぼ同じで推移した。昨年から続く原料価格の上昇は、やっと天井が見えてきたような状況だが、価格が高止まりしているので、収益状況は厳しいままである。組合員から要望があり、組合での原料糸共同購入事業を行った。補助金はなかったが、少しでも安く原料を購入したいという組合委員の切実な要望に応えて実施した。(繊維工業)

木材・木製品

 令和5年2月の新設住宅戸数は全国で64,426戸と先月の増加から再びの減少、全体で前年同月比0.3%の減となった。持家は15ヶ月連続の減少で前年同月比4.6%減少。民間資金は14ヶ月連続の減少、公的資金も16ヶ月連続の減少となった。貸家は24ヶ月連続の増加で、前年同月比4.7%増加、分譲住宅は3ヶ月ぶりの減少、内マンションは3ヶ月連続の増加となった。近畿圏の新設戸数は10,673戸で前年同月比20.3%の増加。分譲うちマンションの39.4%増が牽引。県内の新設住宅戸数は378戸で前年同月比3.8%の増加。((木材・木製品製造業(家具を除く))
 急激な材料費等の高騰により発注元の工務店等が着工を手控えているため、年度末期にありながら仕事量も含めて景況感が増してこない。ある種の情報によると、このような状態が9月まで継続すると言われており、大変な状況にある。(家具・装備品製造業)
 資材の値上がりはもう少し続く見通し。年度末の繁忙期で供給不足のため、取引条件は一時的に好転しているが、短納の物件が多く新年度については予測できていない。人材不足は顕著だが、景況の予測ができないために積極的な求人には至っていない。人材不足の中、優良なスタッフや職人の確保に賃上げが必要となっている。木工職人を目指すも、賃金面で断念するパターンが多くなっている。業界としても良い製品=利益率向上に結びつける必要がある。(家具・装備品製造業)

化学・ゴム

 今月は、前年同月比で出荷量は15%程度減も、出荷額は7%減に留まっている。これはある程度製品値上げが浸透していることによるものと考えられる。一部企業においては年明けから出荷の動きが鈍くなっている模様。各社はベースアップについては理解しており検討しているが、大手金融機関のように初任給を5万円も上げれば入社5年目程度の若手の給与まで上げざるをえないので負担が大きすぎる。(化学工業)

窯業・土石製品

 値上げにより若干収益改善するも、出荷量減少傾向のため先行きは不透明である。(セメント・同製品製造業)

鉄鋼・金属

 前年同月比で約4%の売上増加はしているが、予想よりも小幅な伸びであった。(金属製品製造業)
 業況としては、改善されてきた企業が多くなってはいるが、一方で人手不足を懸念している企業もある。また取り扱う材料、加工品等によって価格面及び納期面でまだまだ厳しい状況になっている企業も見受けられ、全体として各企業共厳しいのは変わりない。(金属製品製造業)

その他の製造業

 前月同様サンプル注文主体で、大量発注は見られず、好転とは言いがたい。新年度に入ったので、新規注文に期待したい。(なめし皮・同製品・毛皮製造業)
 電気代、材料費の高騰、人手不足の慢性化により製造業者はますます大変になっている。製造業者の減少により仕事の依頼は増えているが、人手不足により断らざるを得ない。後継者育成に力を入れたいが、日々の仕事に精一杯でそこまで手が回らない。(その他の製造業)
 前年同月比では売上高は減少したが、前月比では日数の関係もあるが、増加した。業績については、コロナ感染症の落ち着きはあまり影響がない。営業活動等については、少し前から元に戻っている。(その他の製造業)

非製造業

卸売業

 前年同月並みの水準だが、業界の前年比について全国平均よりも和歌山県は低い水準である。メーカーの商品供給については持ち直しつつあるが、4月から再度の値上げを行うメーカーがあり、駆け込み需要も少なからずあった。住宅省エネ化補助金事業が始まり、それに伴う商材の引合は増えている。(機械器具卸売業)

小売業

 3月第1週の改定となる2日から8日出荷分の石油製品仕切価格は大手3社とも前週比の2円/Lの値下げとなった。それに伴い、政府による燃料油価格激変緩和措置の政府補助金は1円70銭減額され、補助を含めた実質仕切りは30銭の下落となった。また、最近の新型コロナウイルスの状況により、経済活動が持ち直しの兆しが見られており、併せて、県内の基幹産業である観光業の復調もあり、SSでは今後の経済活動の活発化に期待する声が徐々に高まっている。(その他の小売業)
 春の訪れとともに人の動きが目立つようになってきた一方で、物の動きは鈍いように感じる。しばらく行楽や会食に集中すると予想している。(その他の小売業)

商店街

 年度末であり、新生活に向けた準備の需要に期待しましたが特段の増加はない。やはり物価高による節約志向が根強いからではないかと考えている。年度替わりの賃上げ圧力に対応するかどうか判断の分かれるところである。コロナ禍で借り入れた緊急資金の返済が始まってきている。利益が出しにくい状況での返済は厳しく、破綻に至らないか危惧している。(複合業種(和歌山市))

サービス業

 販売価格は昨年より上昇しているが、ガス消費の節約で売上高は減少。仕入れ価格では円安は落ち着いてきているが、輸入相場の高値安定が続いている。ガス機器販売等は未だコロナの影響で納期遅れがあるため売上げが伸び悩んでいる。(ガス業)
 3月の売り上げはかなり良くなってきている。全国旅行支援はこれまであまり伸びていなかったが、宿泊・日帰り客の90%程度が利用している状況になってきており、売上はコロナ前に戻ってきている。また、インバウンドも戻りつつあり、今後は業況の回復に期待できる。(宿泊業)
 3月の対前年同月比の宿泊人員は142.1%、総売上高143.0%、1人当り消費単価100.6%、総宿泊料金141.4%、1人当宿泊単価99.5%、だった。2023年1月から3月の宿泊人員は144,192人で、前年同期間(2022年1月から3月)と比べると70,067人の増加である。2023年4月より1施設が組合に新規加入する。(白浜温泉旅館協同組合)
 コロナ感染者も減少してきており、客足が戻ってきて売上げが昨年より増加しているが、原材料費の高騰により収益は悪化している。特に、輸入品を使うフランス料理店等は苦しい。3月は、飲み会の機会も増え、予約も伸びている。二次会等のスナックやクラブ等は少し戻ってきているが、まだ厳しい状況です。雇用についても、従業員の不足と賃金の上昇により苦慮している。また、収益率の悪化、人手不足のため、廃業する店舗が増加している。原材料や光熱費の高騰により資金が枯渇してきているため、資金繰りも苦しくなってきている。また、コロナ特別貸付けが9月まで延長されたので少しは良くなっているが、新規創業資金及び運営資金等の借り入れが減少している。しかし、コロナ融資の元金返済が始まり、借り換え等、返済に苦慮している。(飲食店)
 令和4年度での和歌山県内の自動車保有台数は、前年度と比べ登録車が2,794台の減少、軽自動車が1,899台の増加となった。年間を通して見ると年々軽自動車への乗り換えと高齢化による運転免許証の返納の影響が増加していると感じている。(自動車整備業)
  入庫台数は少し増加傾向にあるが、この状況が一時的なのかまだまだ不安要素が多い。(自動車車体整備業)

建設業

 当組合3月の県工事受注額について、今月は前年同月比85%程度となっている。補正予算の発注が遅れており、4年度受注額はなんとか平年確保といったところ。(総合工事業)
 国発注工事は増加した。県発注工事において補正予算での発注が予想以下であり、令和4年度における組合員の受注高は前年比70%程度となった。(総合工事業)
 全体的には2月から3月にかけては、さほど変わりはないように思われる。期末決済の影響もあり今月中は安定している様子。ただ4月に入ってからは建設状況は落ち込んでいくような話がある。全容が5月頃くらいまではっきりわからない報告ばかりなので見守るしかない。(職別工事業(設備工事業を除く))
 大きな変化はないが、見通しがよいとは言い難い。工事件数も伸び悩み感が否めない。(設備工事業)

運輸業

 物価高騰の折、運賃転嫁もままならない状況下でも賃金アップが余儀なくされる中、経営環境も厳しくドライバー確保も課題である。このような状況の中で、資金繰り、事業継承が重要な課題となっており、水面下での動きも見られる。(道路貨物運送業)
 特筆するような動きもなく、業況としてはあまり良くない。経費は、値上げムードに乗り増加する一方であるが、運送業界ではそれを転嫁するのは難しい。(道路貨物運送業)