【2023年4月分】景況調査

【2023年4月分】前年同月比の景気動向

増加・好転  不変  減少・悪化
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売上高 収益状況 資金繰り 業界景況
製造業 食料品
繊維工業
木材・木製品
印刷
化学・ゴム
窯業・土石製品
鉄鋼・金属
その他
非製造業 卸売業
小売業
商店街
サービス業
建設業
運輸業
DI値 − 2.5 − 15.0 − 5.0 − 30.0

(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)

製造業

食料品

 梅干し製品の販売は、観光客の増加で土産物の期待は持てるが、まだ回復とまではいかない。ほかの販売先に関しても、先月から大きな動きはなくやや停滞気味。梅の作柄は順調で平年作との見込み。(食料品製造業)

繊維工業

 4月の売上も前年同月とほぼ同じで推移している。春を迎えて地区内でも観光客の動きが少し出てきているように感じる。しかし、コロナ禍で縮小してきた営業活動を一気に元に戻すことが難しく、売上高や地区内の人の流れなどを見極めながら対応している状況である。本組合も3月末での決算を行った。昨年もコロナ禍で思うように事業ができなかったが、組合運営経費の負担だけで、昨年に続き赤字決算となっている。このままでは2年ほどで組合の資金も底をつき、組合員が減少している現状では、組合員の賦課金を値上げすることも難しいため、組合の存続に向けて新しい策を検討中である。(繊維工業)

木材・木製品

 4月のプレカット稼働率は92.3%で前月比1ポイント増。4月のプレカット受注量は各工場ともしっかりとした手ごたえがあるわけではないが前年同月微増、1~3月の最悪期は脱しつつある様子。4月が谷間で若干受注が上回ってきているとの観測もあるが、一般住宅向けはさほど活気が戻っておらず、集合住宅や非住宅物件で補完している様子。今後の受注見通しについても、住宅は1~2ヶ月先の仕事を確保するだけで精一杯との厳しい見通し。全国的な流れとしては1月の持ち家着工が1万6千戸台と60年ぶりの低水準となるなど、物価高、資材高、エネルギー費用高騰による住宅取得意欲の低下により、注文住宅から戸建て分譲住宅に需要がシフトしており、その影響は今後も続くものと予想される。(木材・木製品製造業(家具を除く))
 例年通り、仕事量の少ない年度当初4~6月に入った。景気回復を期待する。当組合の事業計画の中にある需要開拓は、新しい顧客の開拓でもあるが、昨今世間を騒がせている搾取的行為がはびこる中、組合としては組合員に損害を与えることは避けなければならない。当組合に突然電話が入り、新規の製造事業所の紹介を依頼されても積極的に扱えないのが実状である。組合員自体も新規の取引は差し控えている。信用取引を構築することは困難を極める。(家具・装備品製造業)
 製材業・プレカットの生産加工量減少。新年度となり、新築木造住宅の木材補助金が開始されたので受注が見込まれる。県内の原木市は山から木を伐採する人材不足により出材が若干不足している。(家具・装備品製造業)
 昨年度末からの需要回復は新年度及び5月にかけても続く見通し。資材価格は塗料系、樹脂系で値上がりしている。木材関連は高止まりとなっている。短期見通しだが、工事物件の動きはコロナ期に比べ活発なため、少なからず業況の回復が期待できると思われる。物価上昇に伴う賃上げについては、各社意見が様々である。当社では心ばかり賃上げを実施したが、家具業界はまだまだ低水準であるため、人材の育成には障害となっている。量販店の価格に影響され、手加工の技術が認識されにくくなっているのが一因だと感じる。(家具・装備品製造業)

化学・ゴム

 今月は前年同月と比較して出荷量は18%程度減も、出荷額は7%程度増になっている。製品値上げがある程度浸透していることによるものと考えられる。当業界としては新年度の後半に明るい兆しが出てくるものと考えているが、アメリカやスイスで銀行破綻が発生したので、これによりどのような影響があるのか注視しているところ。(化学工業)

窯業・土石製品

 県北部は大型物件が少なく、出荷量は減少傾向、価格転嫁が進んでいるため収益状況の悪化は緩やか。(セメント・同製品製造業)

鉄鋼・金属

 前年同月比で、約12%の売上増となった。顧客の計画が下方修正され、小幅な伸びである。(金属製品製造業)
 先月と同様ではあるが、全体としての売上は増加しつつある。収益に関しては、材料、エネルギー価格の上昇等により、思うように増加しないので、景況感としてはまだまだ好転とはいえない。人材不足についても、今なお厳しいところである。(金属製品製造業)

その他の製造業

 4月の受注状況は期待通りにはならなかったが、全体的に見てやや良い方向に向かっているように見える。5月下旬の展示会それに続くメーカーと問屋の個展の後が楽しみである。(なめし皮・同製品・毛皮製造業)
 製造業者不足が深刻化している。(その他の製造業)
 売上高と販売価格においては、組合員各社で不変と減少に回答が分かれた。ただ、現年前月比で売上高は増加した。(その他の製造業)

非製造業

卸売業

 4月から一部メーカーの価格改定(値上げ)があり、3月度に駆け込み需要はあったが、全体的な売上での影響は少なかった。しかし、今後も材料の値上げによる影響は出てくる。大阪府等では、補助金による省エネ設備更新の事業が出ているが、和歌山県においては出ておらず、地方による格差が広がる懸念がある。5月からコロナ感染症が5類に移行するにあたり、経済活動や、イベントも正常に戻ってきている。(機械器具卸売業)

小売業

 食肉の価格は落ち着いてきているが、惣菜の原料となる食料油、粉、パッケージなど価格が上がっているため、売上高に変動はないが、収益に少し影響がある。(飲食料品小売業)
 4月半ば過ぎまでは仕切り価格が上昇したため、消費者への影響が懸念されていたが、政府の燃料油価格激変緩和措置による補助金単価の増額の措置が実施されたことにより、小売価格の変動に大きな変化は見られなかった。しかしながら、4月後半では原油市場が米国の金融不安や欧米の金融引き締めにより原油コストが下振れし、欧米を中心に景気が減速してエネルギー4需要が冷え込むとの見方を受けて下落が進んでいる。一方、県内のSSでは月末からの大型連休への期待も高まっており、今後の経済活動の活発化に期待する声が高まっている。(その他の小売業)
 コロナが収束に向かい、インバウンドに観光関連の地域が賑わっている様子が伝わってくるが、残念ながら当業界ではそんな実感はない。消費者から見た消費の対象である「的」の大きさをイメージすると、当業界の「的」は相対的にかなり小さくなっていることは容易に想像できる。今は検索の方法が進化しており、どんなに小さな「的」でもはっきりとしていれば見つけてもらえるが、探されるだけの価値が提供出来なければ見えない存在となってしまう。怖い時代であるが、マーケティングの反応がダイレクトに返ってくる面白い時代の側面もある。(その他の小売業)

商店街

 リベンジ消費が発生しているとの報道があるが、当該地域において実感できているのは一部の飲食店と顧客管理を十分に行っている小売店に限られている。大半の事業者は仕入れ価格の上昇により利益率の確保に苦戦している。食料サービス業の中には客の戻りに人員が不足し、募集をかけても集まらないとの声もある。金融状況は、先日の日銀総裁の交代による政策変更はないとの報道等により大きな変化は見られないが、先行き不安が払拭されることはなく、投資に対する意欲は低調なままである。(複合業種(和歌山市))
 店舗数が減少するなか、来場者数も徐々に減ってきている。(複合業種(和歌山市))

サービス業

 新年度の供給単価も昨年より若干の値上げで契約ができ、収益状況は改善している。消費者目線では昨年から各エネルギー等の値上がりが続いているため消費の多様化、節約などで消費量は10%程度少なくなり、売上は減少した。飲食関係やイベント関係でのガスの消費が増加傾向にあり、秋頃までは需要が見込める。(ガス業)
 4月になって、全国旅行支援・わかやまリフレッシュプランSワイド2ndのステイナビ割引クーポンが予算上限に達し、発行が停止された影響で売上が落ちているものの、ゴールデンウィークは満員状態となっている。(宿泊業)
 4月の対前年同月比の宿泊人員は115.6%、総売上高119.4%、1人当り消費単価103.2%、総宿泊料金118.6%、1人当宿泊単価102.5%、だった。2023年1月から4月の宿泊人員は203,016人で、前年同期間(2022年1月から4月)と比べると79,267人の増加である。(白浜温泉旅館協同組合)
 コロナ感染者も減少してきており、客足が戻ってきている。特に、インバウンドの回復と国内旅行の増加により、売上及び客数も昨年より増加している。しかし、原材料価格の高騰により収益は横ばいとなっている。特に円安により輸入品を使うフランス料理店等は苦しい。4月は、飲み会の機会も増え、予約も伸びている。二次会等のスナックやクラブ等も少しは客足が戻っているが、厳しい状況。雇用についても従業員の不足と賃金の上昇により苦慮している。また後継者が内店舗や人手不足のため廃業する店舗が増加している。コロナ特別貸付けが、令和5年9月まで延長されたので、少しは資金繰りが良くなっているが、コロナ禍の影響もあり、新規創業資金及び運営資金等の借り入れが減少している。既存店は、コロナ融資の元金返済が始まり、借り換え等、返済に苦慮している。(飲食店)
 コロナ禍においてもあまり影響を受けなかった自動車業界であるため、現状大きな変化はない。金融状況には特に変わりないが、地域というより業界全体の問題点として、人員不足になっている組合員が多いのが現状である。(自動車整備業)
 入庫台数は増加傾向。材料代等の高騰が続いているため、対策を講じなければならない。(自動車車体整備業)

建設業

 令和5年4月の県工事受注額は、前年度より20%の増加となっているが、年度当初の維持管理工事が主であり、今後に期待したい。(総合工事業)
 新年度になり4年度分補正予算の発注があったが、公共工事の受注額は依然として減少傾向。管内全体での発注額はトンネル工事等大型工事が数件あるが、組合員が受注可能な工事としては減少している。(総合工事業)
 建築業界の景況感は全体的に、新築物件の見積もり依頼は減少傾向にある。リフォームプラン工事が大半となっているような状況。コロナ禍の行動規制も緩和され、これから景況に期待して行ってほしい。(職別工事業(設備工事業を除く))
 新年度が始まり、コロナ感染が収束しつつある中で材料の調達も少しはしやすくなっているよう。ただ物価上昇が材料の値上げ、工事の発注にどのような影響を与えるかが、今後の課題である。(設備工事業)

運輸業

 2024年問題を1年後に控え、運行形態やルート、乗務員のシフトなど様々な見直しが提言・提案され、それを試行するなど慌ただしくなってきている。ただし、業況の厳しさは変わっていない。諸物価高騰の折、賃金アップが余儀なくされている中、顧客への賃金アップの申し入れと2024年問題対応が重なっており、経営環境(金融状況)は厳しい状況から脱することに苦慮している。(道路貨物運送業)
 4月は稼働日数の少ない5月をひかえ、前倒しの受注並びに新年度の荷動きがあり受注量は増加している。(道路貨物運送業)