【2023年8月分】景況調査

【2023年8月分】前年同月比の景気動向

増加・好転  不変  減少・悪化

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業種売上高収益状況資金繰り業界景況
製造業食料品
繊維工業
木材・木製品
印刷
化学・ゴム
窯業・土石製品
鉄鋼・金属
その他
非製造業卸売業
小売業
商店街
サービス業
建設業
運輸業
DI値-0.0-15.0-7.5-20.0

(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)

製造業

食料品

 高齢化、過疎化による後継者問題が発生している。(食料品製造業)
 販売は前年に比べて堅調であるが、原料在庫を解消するまでには至っていない。(食料品製造業)

繊維工業

 原材料・賃金・水道光熱費等の高騰により、繊維製品価格が高騰し買い控えが進んでいるようである。また、原材料の高騰や人件費の増加、製品ニーズの変化への対応が経営上の問題点になっている。更に、コロナ融資による借り入れ分の利子が発生しだすので返済を考えなければならない。(繊維工業)
 8月の売上は前年同月と比較して増加した。商品や販売先によっては、かなりばらつきが出ているが、人流と共に景気も動き始めているように感じる。(繊維工業)

木材・木製品

 8月のプレカット工場受注量は前月比84.3%となっており、需要期を控えての90%割れは近年にない状況である。受注は戻ってきているものの勢いはなく、猛暑や台風の影響で住宅基礎工事や木工事の遅れが出てきている様子。年末に向けても市場の盛り上がり感は乏しく、実加工ベースで前年比90%程度で推移する可能性がある。特に、戸建て住宅向けの加工量が落ちてきており、地場工務店の需要の後退が影響している。強気材料より弱気が目立っており、中期的な受注見通しが見極めづらく、手応えを実感しにくい状況である。(木材・木製品製造業(家具を除く))
 通年にわたり業界を取り巻く情勢は、原材料不足や原材料価格の高騰などにより混迷を極めている。また、コロナ融資の返済が存在する状況下で、受注に対する注意を要するため、正当な価格に対する抵抗があった場合や新規の取引などは受注に応じない後ろ向きな傾向にある。コロナ融資の返済が年内に迫る中、元金の返済ができなくなって、資金繰りがより一層悪化すると思われる。(家具・装備品製造業)
 製材業・プレカットの生産加工量も受注量も横ばいで、県内の原木市の単価は少し減少気味となっている。(家具・装備品製造業)
 業況に関しては和歌山市の同業各社、軒並み順調で、今夏コロナによる需要減はほぼ解消されていると感じられる。仕入れ価格については、木材や合板が上げ止まりとみられる一方、燃料、塗料、運送賃、交通費の高騰がなお続いている状況である。家具製造業界においては、取引先からの品質管理やコンプライアンス厳守等の要望が年々厳しくなるのに加えて、打合せ等で商品提案や技術的な助言が即答できるスキルが求められるようになってきたため、従来からの家具職人やスタッフでは対応できない場面が発生しており、より有能な人材確保が今後の課題の一つとなっている。(家具・装備品製造業)

化学・ゴム

 8月の出荷量については対前年同月比では5%の減だが、出荷額については対前年同月比で8%程度の増となっているものの、中国の景気動向が依然として不透明である。(化学工業)

窯業・土石製品

 地域差はあるが単月では持ち直した。(セメント・同製品製造業)

鉄鋼・金属

 前年同月より売上が約7%減少した。海外向けは在庫過多、国内向けは市場での人手不足により空調機器の取付工事が間に合わないとのことで、供給の足をひっぱっている様である。(金属製品製造業)
 全体として、業況は改善されてきた企業が多くなってきており、8月以降でも発展と回復に期待したい。また、人材不足は続いているが、それに伴い自動化を進めるためのロボットの活用を検討している企業もある。(金属製品製造業)
 最近の鉄鋼業界は、改善してきているため受注量が増加の傾向にあるが、石油製品や資材の高騰による影響が今後危惧されている。(金属製品製造業)

その他の製造業

 相変わらず低調のまま推移しており、紳士及び婦人靴用革の需要停滞が続き苦戦中である。(なめし皮・同製品・毛皮製造業)
 原材料不足、原材料価格高騰がどこまで続くか分からず、商品カタログ等を作るのも難しくなってきた。(その他の製造業)
 現年前月比では、売上高の増加と減少で二分となった。引き続きの円安、物価・燃料費の高騰により、小売店全体的に業績が良くない。(その他の製造業)

非製造業

卸売業

 県内の業況は、昨年と変化はなく低い水準、補助金等の支援についても他府県に比べると少なく、民間の設備投資や更新は低迷している。また、暑い日が続くが、空調関連の需要は伸びておらず、ほぼ前年並みの伸長である。6月以降でコロナ陽性者が職場で増えて来ており業務に支障が出てきている事業所もある。やはり人手不足は解消されておらず、人材の確保が課題となっている。(機械器具卸売業)

小売業

 諸経費の値上がり分を販売価格に転嫁できていないため、売上は変わらずでも利益がやや圧迫されている状況。(飲食料品小売業)
 燃料油価格激変緩和補助金が年末まで期間延長になり、9月7日から始まる新たな仕組みでは、油価が上がっても高騰部分は補助金が打ち消してくれる。しかしながら、県内のガソリンスタンドでは、長引く物価上昇で消費者の節約志向が高まっていて、原油価格下落が期待しにくい中、原油市場の動向や円安を注視している。また、今年で7年目を迎える「満タン&灯油プラス1缶運動」が1日から全国一斉スタートし、組合員SSでは、万一の災害に“備えることの大切さ”を消費者に啓発していく。(その他の小売業)
 貴金属製品に関して消費者の購買意欲が弱いように感じる。(その他の小売業)

商店街

 夏休みで盆商戦もありましたが、至って低調であった。来街者数に大きな変化もなく増加に転ずる兆しもない。低調な業況を気候のせいにはしたくないが、9月に入っても酷暑が続いていて気になっている。台風によるアーケード等への被害や苦情相談も特に無かった。(複合業種(和歌山市))
 特に変わりはなく、低迷したままであった。(複合業種(和歌山市))

サービス業

 プロパンガスの輸入相場は下落しているものの、円安傾向のため仕入れ価格はあまり下がらない。猛暑の影響で水道等の水温が異常に高いため、給湯のガス消費量が著しく減少した。台風シーズンが迫るなか、ガス衣類乾燥機の無料モニターキャンペーンを和歌山県下で来月より実施し、機器販売・ガス消費量の増加に繋げていきたい。(ガス業)
 8月の売上は順調に伸びていたが、お盆の台風7号の紀伊半島上陸によりキャンセルが80~100%と相次いだため、売上は前年より上回っているが、コロナ前の80~90%の状態であった。また、インバウンドについては、家族やグループなど個人旅行がかなり増えてきている。(宿泊業)
 8月の対前年同月比の宿泊人員は103.0%、総売上高107.7%、1人当り消費単価104.6%、総宿泊料金103.3%、1人当り宿泊単価100.3%であった。2023年1月から8月の宿泊人員は648,401人で、前年同期間(2022年1月から8月)と比べると112,250人の増加である。(白浜温泉旅館協同組合)
 コロナ感染症の影響が少なくなり、売上及び客数は昨年より増加しているが、コロナ禍以前に比べると未だ回復とは言えない。8月は外出や飲み会の機会も増え、居酒屋等は予約も伸びたが、二次会等は減少しスナックやクラブ等は相変わらず厳しい状況であった。白浜等の一部観光地では夏休みの旅行の増加はあったが、飲食業関係はそれほど伸びていない。一方、原材料費の高騰により、収益は横ばいとなっており、雇用についても従業員不足と賃金上昇により苦慮している。特に、中国の団体旅行が許可されたが、本県のインバウンドの回復は全国に比べ低いと思われる。また、後継者がない店舗や人手不足のため、廃業する店舗が増加している。(飲食店)
 現状は変化なしだが、大手中古車販売店の不正の影響が自動車整備業界全体に及ぶのではと役員会でも懸念している。金融状況に特に変わりはないが、地域というより業界全体の問題点として、人員不足になっている組合員が多いのが現状である。(自動車整備業)
 業界では「優良な車体整備工場の見える化」の実現に向けた取り組みの一環である高度化車体整備技能講習の車両計測編を全国にて開催している。(自動車車体整備業)

建設業

 令和5年8月の県工事受注額は前年同月比約70%となった。4月~8月累計では20%減となっているが、9月契約予定の残工事が相当あるため、上半期契約額が前年度並みになることを期待している。(総合工事業)
 公共工事の受注額は先月に引き続き増加している。8月中旬に上陸した台風による大きな被害は当地域では無かったが、幾つか現場での被害があったため工事の進捗状況に影響が生じそうである。(総合工事業)
 建築業界にとっては、やはり資材高騰の行方が気になっている。木材価格は下落に転じているが鋼材関係は高止まりの状態で、公共事業も予算オーバーで入札不調となるなど、先行き不透明感が懸念されている。また、円安傾向にあり建築関係各社が警戒心を漂わせている。8月はあまり動向が見られなかったが9月の景気に期待したい。(職別工事業(設備工事業を除く))
 緩やかに持ち直している感じで全体的に大きな変化はないが、今後は材料の値上げや最低賃金の引上げによる人件費高など影響がでてくるかもしれない。(設備工事業)

運輸業

 9月末の燃料油価格激変緩和補助金の終了に向けて、燃料価格が高騰を続けた。8月は7月より約8円もアップで、前年と比較すると約16円アップなど、顧客対応や社内でのコスト圧縮も追いつかない。更に、ドライバーの求人に対する応募がなくなってきている。仕事があっても車を動かすドライバーがなく、車を動かしても燃料他高騰で割に合わず、経営状況は大変厳しい。毎月の支払は、諸費用高騰により増え続けているが、収入は多少上向くも増支出を補えず、資金繰りも厳しい状況が続いている。(道路貨物運送業)
 相変わらず地域内の荷動きが少ないが、猛暑の中、飲料水関連並びに防虫関連商品の荷動きが若干見られる。また、燃料高騰がとまらず収益率の低下に拍車をかけている。(道路貨物運送業)