【2023年12月分】景況調査

【2023年12月分】前年同月比の景気動向

増加・好転  不変  減少・悪化

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業種売上高収益状況資金繰り業界景況
製造業食料品
繊維工業
木材・木製品
印刷
化学・ゴム
窯業・土石製品
鉄鋼・金属
その他
非製造業卸売業
小売業
商店街
サービス業
建設業
運輸業
DI値-22.5-25.0-12.5-30.0

(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)

製造業

食料品

 昨年比で販売状況は変わらず原料在庫は十分にあるまま。ただ、通販での販売は堅調である。(食料品製造業)

繊維工業

 暖冬もあり冬物重衣料の売れ行きが良くなかったようで、アパレル各社は苦戦を強いられているため、発注数が昨年に比べ減っている。少子化による市場縮小と全体的な営業界不調で衣料が売れていない。そのため品番毎の発注数も減ってきている。また、従業員を募集しても、なかなか集まらない状態である。(繊維工業)
 12月の売上は11月に続き前年同月と比較してかなり減少した。各商品の値上がりに伴い、販売店では必要数量だけ購入して余剰在庫を少なくしつつ、今後の市場の動きを見極めようとしているように思われる。また、経営者の高齢化に伴い、体調不良や後継者難等の声が組合員から聞こえている。(繊維工業)

木材・木製品

 プレカット工場の12月受注平均は90.7%と先月に続き下落傾向が続いている。今年は年初から木造住宅向けを中心に実需に苦しみ、1月2月の受注量は低迷したが12月も同様低水準に沈んでいる。ビルダーからの値下げ要請は続いている状況。また、来年1月の見積状況は86.3%と更に低迷が加速している。例年1月~2月は受注が落ちるが、来月の受注も厳しさがうかがえる。どのプレカット会社とも一般住宅は非常に動きが悪いとの指摘が支配的になっている。住宅取得に好材料が乏しく、現状維持がやっとという諦めムードが強くなっており、唯一手応えがあるのは非住宅需要で、住宅と非住宅の二極化が顕著になっている模様。また、紛争によるスエズ運河の不通により資材不足・価格の高騰が懸念されるとの意見もある。(木材・木製品製造業(家具を除く))
 受注先の工務店を中心として、原材料不足、原材料価格の高騰、原材料費積算の不透明感及び人員不足などに起因する工期の遅延及び未着工により、当業界は長期的に低迷状態が継続している。(家具・装備品製造業)
 製材やプレカットの生産加工量は増加している。また、県内の原木市の単価は横ばいである。(木材・木製品製造業(家具を除く))
 年末にかけて一時的に下火となっているが、来年夏前にかけてホテル改装、新築等の大型物件の情報が出ている。万博やインバウンドに対応した物と思われ、直接の取引は無くとも人手不足による売価上昇や他物件の引き合い増加も考えられ、業況はやや上昇かと考えている。引き続き人材不足が聞かれており、県外や他業種への優秀な人材流出もある。根本的には賃金アップが必要で、経営改革が必要かと思われる。(家具・装備品製造業)

化学・ゴム

 米国の利上げは打ち止めとなりつつあるが、相変わらずインフレは根強い状況である。(化学工業)

窯業・土石製品

 原材料の値上げの動きと2024年問題での輸送費の値上げに伴い,状況によっては再度の価格転嫁を迫られる可能性がある。生コン業界では週休二日制が定着しつつあるが、一部地域では関連業界の理解が得られず未だ週休一日の地域がある。(セメント・同製品製造業)

鉄鋼・金属

 売上高は、前年同月比で約30%減少した。また、コロナ融資の借り換えを実施した。(金属製品製造業) 人手不足を少しでも埋めようと技能実習生を採用しようという動きが増えてきている。受注量に対して人手が不足してきており、追加の仕事を受けられないという深刻な現状である。(金属製品製造業)
 従業員不足以外に現状に大きな変化なし。(金属製品製造業)

その他の製造業

 年末の駆け込み注文が思ったより少なかった。消費者の購買意欲はまだまだのようで、メーカー側も困惑気味で発注量に手控え感が見える。(なめし皮・同製品・毛皮製造業)
 コロナで悪かった時よりも今年の11月12月の方が悪くなっている。インボイス制度や請求書の電子化など、行政が決めてくることは大企業は何とでも出来ると思うが零細企業にとっては死活問題となっている。それによって廃業する企業も出てくるのではないかと思う。(その他の製造業)
 前年同月比の売上高は減少したが、現年前月比売上高は、年末商戦及び価格の改定により増加した。(その他の製造業)

非製造業

卸売業

 資材の高騰と官公庁建築現場の材料納入の増加により売上高は増加した。11月同様、商品供給に問題が生じている。特に12月に入り事態は深刻になっており、商材によっては来年度まで影響が続く可能性がある。特に、建築材料の供給に問題が発生し大きな影響が出てきている。一方、半導体等の部材不足による機器関係の納期は改善に向かっている状況ではある。11月同様、県下の民間事業者からの照明や空調などの省エネ機器への更新に関する問い合わせは増えているが、地方自治体の独自の補助金が他府県よりも少ないのが現状である。(機械器具卸売業)

小売業

 令和5年の食肉業界では、前年に引き続き相場高・原料高・コスト高など様々な利益圧力要因に対応を迫られる年となった。数多くの食料品の値上げもあり、消費者の生活防衛意識が強まり、食肉消費は、牛肉から豚肉、豚肉から鶏肉へとより安い食肉へシフトし、これにより牛肉相場が低迷、豚肉・鶏肉相場が高値で推移した。(飲食料品小売業)
 燃料油価格激変緩和対策事業が新方式で延長されたことで、補助金による仕切り価格高騰が抑制された。2024年度の当初予算案で石油流通関係では、83.5億円が閣議決定され、今年度補正予算で措置された11億円の災害対応力強化事業と併せて石油サプライチェーンの強靭化を図っていく。和歌山市内のセルフ市況は改善したものの、安値からは脱したとはいえず、厳しい低市況のままであり、早急な収益の改善が望まれる。(その他の小売業)
 組合員数は年々減少している。時計店の業務には物販と修理メンテナンスの二つの面があり、インターネット時代に大手メーカーの商品を販売する小売業として成立することの難しさに加えて、技術習得には相当な時間がかかることもあり、同業態での新規参入はほとんど見られない。一方で消費者からは一定のニーズはあるので、その部分を深掘りしていく方向も有望かもしれない。そういう面では親子での継承が一番スムーズな業界だと言える。(その他の小売業)

商店街

 歳末・歳暮商戦は昨年より低調で、売り上げと客数の減少となった。川辺地区に出店した万代・カインズへの客の流出が大きく関係しているように感じられた。年末恒例の軽トラ市での集客も昨年より少なかったように思う。継続して行っている事業だが、しっかり定着していないと感じた。継続は力なりとは言うが、新しい要素を常に考え工夫していかないといけないと感じた。商店街の西側入口付近に新しくカフェ・バーがオープンした。空店舗が一軒減り、組合としては快く迎え入れ活動に協力いただけるよう関係を構築する必要がある。(複合業種(和歌山市))
 天候に恵まれ気温も温暖だったため、本来なら相当落ち込みそうな売上もなんとか前年通りをクリアした。専用駐車場がなくなり、年末期待の肉屋と惣菜屋もなくなり、お客様に大変迷惑がかかることになり、今後も来客数が減少しそう。(複合業種(和歌山市))

サービス業

 経済産業省の補助金を活用し、中小のLPガス事業者が積極的に設備投資を行っている。将来的な明るい状況が見通せないため、小規模のLPガス販売店、中規模の卸ガス会社の廃業や大手への営業譲渡が増えつつある。(ガス業)
 12月は前年度比80%程度で、あまり良くなかった。平日の売上が少ないようで、昨年は全国旅行支援があったので、その影響が出ている。コロナ前に比べて少し下がった状況である。(宿泊業)
 12月の対前年同月比の宿泊人員は92.7%、総売上高100.5%、1人当り消費単価108.5%、総宿泊料金101.2%、1人当宿泊単価109.2%、だった。2023年1月から12月の宿泊人員は960,237人で、前年同期間(2022年1月から12月)と比べると115,227人の増加である。(宿泊業)
 コロナ感染症の影響がなくなり、売上及び客数は昨年より増加しており、一部の業種を除き、ほぼコロナ禍以前に回復している。現状は、忘年会やクリスマスにより料理店、居酒屋、焼き肉店等は売上が増加しており、特に家族連れが増えている。温泉・観光地の飲食店は旅行客等により賑わっており、売上及び客数も昨年より増加している。一方、原材料費の高騰や従業員の人手不足と賃金の上昇により、収益は横ばいとなっている。徐々に、インバウンドによる外国人は増加しているが、本県は、全国に比べ来訪者の回復が遅いと思われる。ほぼコロナ禍の影響も薄れ、新規創業資金及び設備投資等の借り入れが回復基調にあると思われるが、融資件数は増加していない。既存店は、コロナ融資の元金返済が始まり、借り換えなど返済に苦慮している。(飲食店)
 先月に引き続き中古車の売上高が減少している模様。また、業界全体の問題点として、人手不足になっている組合員が多いのが現状である。(自動車整備業)
 修理台数の減少により、厳しい状況が続いている。(自動車車体整備業)

建設業

 当組合、令和5年12月の県工事受注額は当月も前年同月程度であり、同様に4月~12月までの受注額も前年度相当を確保している。今後の補正予算による発注に期待したい。(総合工事業)
 公共工事の受注状況は国・県・市町村工事全てで減少した。また、当地域で施工中の大型トンネル工事が中止となり少なからず組合員企業にも影響が出ている。依然として働き手不足は深刻で、外国人労働者の雇用を検討される業者も増えてきたようである。(総合工事業)
 12月も全体的になんとかやりくりしている状態。令和6年度は、下請け企業のための利益率の悪化、価格競争にもまれながら生き残る方法、55歳以上の労働者が増える中での人材不足などが課題になりそう。今後事業を維持するためにも、工事原価をこれ以上上げないでほしいところである。(職別工事業(設備工事業を除く))
 コロナ禍が明けて、日々の生活は取り戻した感はあるが、なんと言っても今年は資材価格の高騰に悩まされた。そのうえ、ここに来て電線が入って来ず、工事が滞っている状況。入荷は早くて2~3月とも言われており、このままでは死活問題となる。(設備工事業)

運輸業

 報道で2024年問題がクローズアップされてきて運賃転嫁や運送環境は改善されてきているが、濃淡は否めない。軽油価格は原油価格が下がってきているが、燃料油価格激変緩和措置による補助金額も同様に下がり、価格は変わらないあるいは高くなっている。物流量が景気減速で減少しており、売り上げ的には厳しい環境下は変わらず。(道路貨物運送業)
 有田地域では、温州ミカンの出荷時期が最盛期をむかえ、果物輸送関連の組合員の業況は例年どおり活気のある年末となっている。軽油価格は需要の多い12月に高値で推移している。(道路貨物運送業)