【2025年3月分】景況調査

【2025年3月分】前年同月比の景気動向

増加・好転  不変  減少・悪化

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業種売上高収益状況資金繰り業界景況
製造業食料品
繊維工業
木材・木製品
印刷
化学・ゴム
窯業・土石製品
鉄鋼・金属
その他
非製造業卸売業
小売業
商店街
サービス業
建設業
運輸業
DI値-27.5-60.0-35.0-47.5

(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)

製造業

食料品

 販売状況は、先月と変わらず鈍化のままである。今年度の作柄への期待感はある。(食料品製造業)

繊維工業

 トランプ政権の影響もあり、売上が低下している。また一部の企業では少子化による制服の注文の減少の影響で、減収しているとの声が出ている。(繊維工業)
 3月の売上は前年同月と比較してやや減少した。原料費や人件費など製造経費の増加により、少しづつ価格転嫁を行っているが、商品販売価格がアップした状況下で、商品の種類によっては注文数の減少が見られる。今後これ以上製造経費が上昇し続けると、今以上に販売価格に転嫁しなければならず、ますます注文数が減少する可能性がある。製造販売者や消費者への負担を軽減する対策として、消費税の減額や廃止が最も有効な手段のように感じている。(繊維工業)

木材・木製品

 前年同月比で生産量、売上高で約15%の減となっている。人口減による住宅着工戸数の減が顕著となってきた。全国的にも、木造住宅着工戸数が昨年の10月から続落している。また木材製品価格も米材製品を中心に上昇を続けており、トランプ大統領が打ち出した関税政策により先行きが見えない状況にある。人口が減少していく時代となる中で、住宅建築の漸減とともに木製品の需要が減少していく。今後、木製品の需要を喚起するうえで、非住宅の木造建築物や内装木質化を図るための知恵を絞っていかなければならない。(木材・木製品製造業(家具を除く))
 コロナ禍から年度末の駆け込み需要は存在しなくなった。また同様に、公共事業に関しての需要もなくなった。当業界内では仲間内で互いに補い合いながら、県外からの受注に細々と対応しているのが現状である。(家具・装備品製造業)
 製造業の受注額は前年同月比で特に変化はないが、プレカットの生産加工量は減少した。また県内の原木市の単価は横ばいである。(家具・装備品製造業)
 業況については、事業所によりばらつきはあるものの概ね昨年並み、もしくはやや増加となっている。年度末に加え、インバウンド需要を期待した内装工事が多くあったためだと考えられる。物価上昇は今後も続くと予想されるため、さらなる価格転嫁が課題である。関税問題が我々の業種にどう影響するのかは、全く予想できないが、コロナ禍での停滞が回復している状況だったので悪影響がないことを願う。(家具・装備品製造業)

化学・ゴム

 4月から始まるトランプ大統領による関税政策がどの程度景気に影響を与えるのか不透明感が漂っている。(化学工業)

窯業・土石製品

 令和6年度を終え通期で前年対比約4%減の出荷量であった。期首の想定では10%減を予想していたため、まずまずであったと言える。ただし、毎年減少し続ける傾向に変わりはなく令和7年度以降も厳しい状況が続くことは確実である。県予算が赤字となると公共工事でもインフラの新設は減り点検補修のウエイトが高くなる。業界としても量より質をPRし付加価値で収益性を考えられる商材の開発に取り組んでいる。(セメント・同製品製造業)

鉄鋼・金属

 前年同月比で、売上高が約22%増加したが、米国でトランプ関税が発動されることになり、今後、米国での生産が増加し、米国向けの輸出が伸び悩む見通しである。(金属製品製造業)
 国際情勢は依然として不安定な状態が続いている。アメリカによる関税の引き上げにより、特に自動車関係産業は見通しがつかないため、不安な状況におかれるだろう。また引き続き価格転嫁ができない状況が続いており、今後も切実な対応が求められる。(金属製品製造業)

その他の製造業

 注文・問い合わせがともに減少した。例年になく業界の動きは活発ではないため、夏、秋の需要に期待したい。(なめし皮・同製品・毛皮製造業)
 3月は新生活準備などの影響で先月より売上が増加した。(その他の製造業)

非製造業

卸売業

 業界の景況においては、値上げの影響で好転している感はあるが、先行きは不透明で、4月以降悪化する予測である。光熱費の上昇で、企業は省エネ対策に前向きであり問い合わせも増えている。県下の民間事業者からの照明、空調などの省エネ機器への更新の問い合わせは増えている。収益に関しては、企業努力で維持している会社もあるが、より一層無駄、ロスの削減が求められている。金利の上昇や世界経済の先行不透明な状況から今後、景気に影響が懸念される。(機械器具卸売業)

小売業

 トランプ政権の誕生や欧州の政情不安の中、石油業界を取り巻く環境も不確実性が高まっている。燃料油価格激変緩和対策事業補助金がどのような形で継続・終了するのかについては、暫定税率の廃止も含めて注視していく必要がある。(その他の小売業)
 組合員の高齢化に伴い病気やその他の理由で、今期から来期にかけて組合員数が目立って減少すると予想される。(その他の小売業)

商店街

 4月は食料品をはじめ水道料金やその他物価の上昇が予想されている。同様に価格転嫁が可能な事業者とそうでない事業者の差が開くことも予想される。(複合業種(和歌山市))
 寒い日が続いて前半より売上が減少した。値上がりしている状況下で売上が落ちるのは、かなりの痛手である。(複合業種(和歌山市))

サービス業

 LPガスの輸入相場は大きな変動はなく、仕入れ価格も少しではあるが値下がりした。長引く物価高によりガス機器の販売は依然として低調である。(ガス業)
 3月は、各施設により対前年比70~170%の状況である。館内のボイラー入替、防水工事で休館し売上が落ちた施設もあったが、和歌山市で学生の大会が重なった施設や改装後のフル稼働で好調だった施設もあった。また4月13日より開催の大阪・関西万博からの和歌山県への観光客の流入に期待している。(宿泊業)
 3月の対前年同月比の宿泊人員は100.2%、総売上高95.4%、1人当り消費単価90.5%、総宿泊料金96.6%、1人当宿泊単価99.4%だった。2025年1月から3月の宿泊人員は72,781人で、前年同期間(2024年1月から3月)と比べると4,519人の増加である。(白浜温泉旅館協同組合)
 3月の売上及び客数は、一部の業種を除き、前年より減少した店舗が多くなっている。また、コロナ禍以前まで回復しておらず、営業の日数を減らしたり、時短をしている店舗も多く見られる。特に焼き鳥店や人気のある有名な店は、増収となっており、寿司店、焼き肉店等の売上は横ばいである。しかし、企業による接待の利用は昨年並みで増加せずに小グループによる忘年会等が主流となっている。またランチタイムは賑わっているが、夜はスナック、ショットバー等の二次会で利用する店舗は回復せず、より厳しい状況が続いている。温泉・観光地の飲食店やホテル内のレストランはインバウンドによる外国人等により賑わっているが、その影響は一部であり、その他の地域の店舗では、売上等が横ばいである。一方で、原材料費の高騰が続き、とくに米は仕入するたびに高くなっている。従業員の人手不足との最低賃金の改定による料金への転嫁も難しく、収益は増えていない。振興資金等による新規創業資金および既存店の設備投資等の借入が減少している。さらに既存店は設備投資がなく、運転資金の貸し付け希望がほとんどである。またコロナ特別融資の元金返済にも苦慮しており、廃業する業者も増加している。(飲食店)
 部品代の単価が上がり続けている。年度替わりよりさらに値上げをする部品や商品があり、価格転嫁が追い付かず収益性を圧迫している。(自動車整備業)
 入庫台数が減少し、売上高は減少傾向にある。(自動車車体整備業)

建設業

 今月の県工事受注額は、昨年同月に比べ増加したものの3月末までの累計で比較すると、前年度累計の9割程度となった。資材費等も高騰し厳しい状況が続きそうである。(総合工事業)
 公共工事の受注高は引き続きすべての発注機関において減少した。県内全域で減少傾向のため競争がさらに激化し地元業者の落札機会はますます減少すると考えられる。(総合工事業)
 3月分の期末も終わり半分以上の業者は5月、6月の見積もりが少なく危機感を感じているような状況である。塗装工業関係は、ある程度リフォーム工事はあるが、屋根工事リフォーム関係の工事はあまり動きが良くないように思われる。特に瓦工事が少なく業績不振に悩んでいるところが多い。相手先により、売上高に差がある状況である。(職別工事業(設備工事業を除く))
 静かな年度末を迎えた感じで組合員の脱退も落ち着き、景況的にも持ち直しているようである。ただ人材不足に関しては、悪化の一途を辿っている。(設備工事業)

運輸業

 軽油価格が更に高騰し、3月の軽油価格は前年から10円/ℓ強値上がりとなり、直接的に経営を圧迫している。4月からは保険料などほかの間接的な費用も値上げとなり、厳しい状況となっている。それでも、期末繫忙や引越、4月からの値上げ物品の駆け込み需要で少しは輸送量も増すが、新年度以降に反動減やアメリカの追加関税への懸念などから景気後退が想定され、連動して荷動きも悪くなってくる。物流業者は体力勝負の時期である。(道路貨物運送業)
 物価高騰の中、適正運賃の収受が課題となっている。また、事業実施体制の整備を考えていく必要があり、ドライバー不足も近々の課題である。(道路貨物運送業)