【2022年2月分】景況調査

【2022年2月分】前年同月比の景気動向

増加・好転  不変  減少・悪化
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売上高 収益状況 資金繰り 業界景況
製造業 食料品
繊維工業
木材・木製品
印刷
化学・ゴム
窯業・土石製品
鉄鋼・金属
その他
非製造業 卸売業
小売業
商店街
サービス業
建設業
運輸業
DI値 − 12.5 − 27.5 − 12.5 − 40.0

(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)

製造業

食料品

 この時期は一番の繁忙期であるにも関わらず、まん延防止等重点措置により売上が悪化している。(パン・菓子製造)
 梅製品は販売先により売れ行きの差はあるが概ね不調である。梅干原料の在庫は十分にあり、今年の作柄によってダブつく可能性もある。(その他の食料品製造業)

繊維工業

 綿糸など原材料価格の高騰が継続中で、ウクライナの情勢がどうなるか先行きが心配である。(その他の繊維製品製造)
 原料等の製造経費高騰を受けて1月より商品単価の見直し(値上げ)を行ったため、その影響が2月の売上減少に繋がっていないか気がかりである。まん延防止等重点措置が発出され、地域内の中小零細企業は観光・飲食業を中心に自粛しているため経済活動は低迷している。それに加えて有田市ではエネオス和歌山製油所の停止宣言があり、市民からは今後の影響を不安視する声が聞こえている。(毛皮製衣服・身回品製造)

木材・木製品

 前月同様、業界を取り巻く情勢は人手不足、原材料不足、原材料価格の高騰などにより悪循環の様相を呈している。見積依頼はあるが予定見積であるため工事価格が成り立たず、予定価格が成り立たなくては工事日程が未定なため現場が動かない。この様な現状下で全てにおいて3~4ヶ月は空白状態が続いている。(建具製造)
 国産材原木の状況は全般に杉丸太の価格が大雪による品薄で上昇、ヒノキはやや値下がり傾向が見られる。県内では出材量はやや増加傾向、ヒノキの材価は、下落傾向にあり2万円をやや下回っている。令和4年1月の新設住宅戸数は全国で59,690戸と11ヶ月連続の増加、貸家が増加したため、全体で同月比2.1%の増となったが、1年ぶりに6万戸割れとなった。持家は2ヶ月連続の減少で前年同月比5.6%減少、民間資金が15ヶ月ぶりの減少、公資金は3ヶ月連続の減少となった。貸家は11ヶ月連続の増加で、前年同月比16.6%増、分譲住宅は4ヶ月ぶりの減少、マンションが3ヶ月ぶりの減少。県内の新設住宅戸数は454戸で前年同月比59.9%の増加、貸家の338%増が大きい。全国のプレカット工場の状況は、2月の受注平均が約90%で木材不足が一時に比べると緩和したが価格は高止まりしている。県内では、各社により差はあるが1月に入り受注は戻ってきている様子。(製材業)
 木材・金物・関連部品の品切れ、約2月毎の値上げに悩まされている。発注先と納期や価格を確約出来ないため受注が出来なかったり、受注済みの物件では責任問題となるケースも出ている。年度末に向けて注文が増え、各事業所では操業度は上がっているが4月以降の動向が不明である。家庭用品の分野は好調の様子であるが、業務用をはじめ工事物件の家具需要は安定性がなく、最近の世界情勢にも大きく影響されるため何らかの業務転換が必要になっている。(家具製造業)

印刷

 年度末を迎えるにあたり、全印工連では一部の地域で今年も再生紙の入手が難しいとの情報提供があった。過去に環境省から府省庁及び地方自治体に対して再生紙が入手困難な場合は、代替品を認めるという文書が発出されたが、毎年繰り返される供給不足を解決するため、「再生紙入手状況に関する調査」を行いそれに基づく資料を提出し、更なる対策を講じるよう働きかける目的でこの調査を行った結果、再生紙のスムーズな調達に対する困難さは解消されておらず、また、代替品を認められるかどうかについても地域別の集計結果から地域差が存在することが判明した。新型コロナウイルス感染症の影響により、全国的に自治体から発注される印刷物の減少は続いている状況で、さらに諸資材の値上がり分の価格転嫁については、「転嫁できない」、「価格転嫁について協議する場もないし、協議に応じてくれない」といった回答の割合が40%を超える結果となった。(印刷業)

化学・ゴム

 今月は、対前月比では有機中間物が伸びるも、農薬中間物、精密化学品の減で、出荷量7.6%、出荷額10.6%のそれぞれ減であった。対前年同月比では、医農薬中間物、有機中間物、高分子等の伸びで、出荷量7.9%、出荷額21.6%のそれぞれ伸びであった。ようやく持ち直しつつあった景気動向も年末からのオミクロン株による新型コロナウイルスの再拡大により、ついに本県でも初めてまん延防止等重点措置が適用され、新規感染者が急増、社会経済活動に一定の制約。原材料の価格上昇、品薄が続き、ウクライナ情勢等からの原油価格の7年半ぶりの高騰等コストアップが続き、アップ分をすべて製品に転嫁し切れていない面もあり、収益面で厳しい状況が続くもの思われる。(化学工業)

窯業・土石製品

 出荷量は減少しており、コロナの第6波によりイベントや講習会など各種組合事業が縮小またはリモート化され、組合の予算計画に乱れが出ている。(窯業・土石製品製造業)

鉄鋼・金属

 売上高は前年同月比で約7%アップ。しかし、依然として半導体不足、コネクター不足等の要因で顧客の生産が増減している。今後、ロシア・ウクライナ情勢の影響が出るかも知れない。(金属素形材製品製造業)
 自動車部品製造が主力の事業者から「半導体不足に加えてオミクロン株の感染拡大により各自動車メーカーの工場操業停止が相次ぎ、暫くは減産傾向が続くと予想される。」、日本製鉄の関連事業者から「材料等、物の動きが悪くタイムラグが発生し、仕事はあるのに現場に遊びが生じる。為替レートが円安過ぎており105円位まで戻る方が良い。」などの声が挙がっている。(金属製品製造)

その他の製造業

 前月比売上高は各企業により増減が分かれ、コロナ禍で景況の先行きが見えづらい。(和雑貨製造業)
 小ロットの引き合いはあるが従前より少なく、状況は依然として厳しい。暖かくなって人流が良くなり購買意欲の高まることを期待する。(なめし革・同製品・毛皮製造)

非製造業

卸売業

 相変わらず商品供給には問題があり、改善の兆しが見えない状況であるが、一部のメーカーは改善に向かっている様子がある。商品が納期に間に合わず代替商品で対応して、後日取り替えるなどの手間も増えている。製造メーカー各社とも原材料、燃料価格の高騰で商品の価格が更に上がっており、特に電線価格が高騰しており落ち着く様子が見られないため今後も収益に影響を及ぼす事が懸念される。(機械器具卸売業)

小売業

ウクライナ情勢の緊迫により原油産出量世界3位のロシア産原油の輸出が滞る懸念が強まって、ニューヨーク市場でWTI原油価格が一時バレル116ドル台に到達し、リーマンショック直後2008年9月以来13年5ヶ月ぶりの高水準となった。こうした諸情勢を背景に、政府は原油価格高騰への追加対策としてガソリン価格の上昇を抑えるための石油元売りへの補助金の上限を1リットル当たり5円から25円に引き上げることを決定し3月10日から適用する見込み。新型コロナ禍において原油価格高騰によりガソリン需要が全国的に低迷しており、SS業界は先が見通せない状況が続いている。(燃料小売業)
 まん延防止等重点措置により外出者が少なくなっていると感じる。(時計・眼鏡・カメラ小売業)
 当月は、新型コロナウイルスの感染者数が過去最大となり予断を許さない状況の中、飲食関連業者においては、まん延防止対策を講じながら時短営業やテイクアウトのみに工夫するなど現状維持に努めているものの、売上は最悪である。また、既存客を対象とする事業者では、相変わらず売上低下の店舗が増えているが、現状維持で売上に変動なく頑張っている事業者も少なからずある。(複合業種)

商店街

 まん延防止等重点措置が発出され、外出の自粛要請により来街者の減少が一段と酷くなっている。物販店はもとより飲食店にも大きな影響を及ぼし、原油価格の高騰により仕入れ価格が上昇してきている。価格に転嫁しないと成り立たない状況である。商店街への新規出店者が先月に引き続き出てきた。和菓子の製造販売でテイクアウトを主にした店舗が4月にオープン予定。(和歌山市)
 コロナ禍で居酒屋など商売人の来街がないため、商店街は朝から静かなままで少ない。一般来街者のみになっている。店舗による差はあるが、補償のあるところは余り影響を感じていないようである。(和歌山市)

サービス業

 オミクロン株の感染拡大により前年同月と同程度だが2020年2月に比べて1割から4割の売上となった。まん延防止等重点措置区域に指定され、協力金を支給されている施設もあるが、宿泊客のみに飲食を提供している施設は対象とならず、非常に厳しい経営状況になっている。まん延防止等重点措置が終了し、人の流れが出だすことが期待される。(旅館・ホテル)
 2月の対前年同月比の宿泊人員は146.6%、総売上高153.3%、1人当り消費単価104.5%、総宿泊料金149.7%、1人当宿泊単価102.1%、だった。
 2022年1月~2月の宿泊人員は78,284人で、前年同期間(2021年1月~2月)と比べると33,851人の増加である。(白浜温泉旅館協同組合)
 まん延防止等重点措置が2月5日から2月27日で本県に発出され、殆どの店が時短及び休業となり売上が激減している。更に3月6日まで延長され死活問題となっている。営業中は以前より更に客が減少している。時短等による協力金受給はかなり後になるため、それまでの繋ぎが難しい。(飲食業)
 最近の問題点では、毎年約1千人程度減少していた整備士の数が前年度より増加傾向になっているものの、実際の整備士不足は継続中である。また、整備工場の老朽化や電子制御装置等を搭載した車が増えたため、整備工場が手狭になっている。(自動車整備業)
 運行補助装置に対するエイミングなどの作業について、その手順や必要となる設備機器はメーカー・車種毎に異なっており、全メーカー・全車種に対応できる設備機器を揃えることは容易ではない。このような業界事情を受けて板金塗装工場などの事業者からエイミング作業を請け負うことを目的とした組織を構築する動きも見られる。各事業場においては、自社への入庫・作業の内容や今後の経営方針などと照らし合わせて、自社対応作業と協力工場への外注作業をしっかりと検討する必要が出ている。(自動車車体整備業)

建設業

 県内でのコロナウイルス感染者が増加し、身近な所から感染の知らせを聞くようになった。現場では、先月と同様に資材不足等は解消されていない。(電気工事業)
 鉄工関係の需要が物流施設の関係で、現状維持出来ているように感じる。戸建て住宅においては、感染リスクの影響からか伸び悩みがあるよう思われる。比較的感染リスクの少ない外装リフォームは期待できるような状況である。(板金・金物工事業)
 先月に続き、県発注工事は減少傾向にある。新型コロナウイルスの影響で各種会議、講習会が延期され対応に苦慮している。(一般土木建築工事業)
 県発注工事の2月受注額は前年同期を上回っている。(一般土木建築工事業)

運輸業

 物流業界では、年間で総輸送量が減少する1月・2月において、更にコロナ禍も追い打ちとなり、影響を受けている。巣篭もり需要や医療関係などごく一部の業態の輸送を除き、経営環境は厳しい。輸送量の減少に加えて「燃料価格(軽油)」が高騰する中、輸送料アップには至らずにコスト高を吸収せざるを得ない状況であるが、収支の限界もしくは赤字を余儀なくされ、資金のやりくりに苦慮する事例も出ている。(一般貨物自動車運送業)
 ロシアによるウクライナ侵攻で原油の世界価格は7年半ぶりに1バレル100ドルの大台に上昇した。激変緩和措置は小売価格の抑制に反映されていないとみられ、政府は追加対策の検討を本格化しているようだ。(一般貨物自動車運送業)