【2022年12月分】景況調査

【2022年12月分】前年同月比の景気動向

増加・好転  不変  減少・悪化
スクロールできます
売上高 収益状況 資金繰り 業界景況
製造業 食料品
繊維工業
木材・木製品
印刷
化学・ゴム
窯業・土石製品
鉄鋼・金属
その他
非製造業 卸売業
小売業
商店街
サービス業
建設業
運輸業
DI値 20.0 − 10.0 − 7.5 − 20.0

(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)

製造業

食料品

 地方の食品業界は少し他より不景気な感がある。Web注文は増加しているが、個人又は小口のため収益増加に繋がっていない。(食料品製造業)
 梅製品の販売は、通販はまずまず売れているものの量販は厳しく全体的には芳しくない。原材料在庫は過剰気味で動きは鈍い。(食料品製造業)

繊維工業

 物価高による上代の上昇により、店頭販売等の冷え込みが予想される。コロナ感染者の増加に伴い濃厚接触者も増加することで自宅待機になる状況が増えて、生産予定の遅れが出始めている。(繊維工業)
 前年同月比では売上高はかなり増加した。長引くコロナ禍に対し、販売市場では2023年から新しい販売企画や特色ある商品開発企画が進行しているが、原料価格の高騰や人手不足が深刻で、企画自体を受け入れられる製造業が減少している。(繊維工業)

木材・木製品

 令和4年11月の新設住宅戸数は全国で72,372戸と2ヶ月連続の減少、全体で前年同月比1.4%の減となった。持家は12ヶ月連続の減少で前年同月比15.1%減少。民間資金は11ヶ月連続の減少、公的資金も13ヶ月連続の減少となった。貸家は21ヶ月連続の増加で、前年同月比11.4%増加、分譲住宅は4ヶ月ぶりの減少、内マンションも4ヶ月ぶりの減少となった。近畿圏の新設戸数は11,279戸で前年同月比1.5%の減少となった。県内の新設住宅戸数は338戸で前年同月比13.8%の減少。プレカット、製材所とも12月迄はほぼ横ばい状態だったが、1月は厳しくなるとの声が強く、電気料金等のコスト増が続いている。(木材・木製品製造業(家具を除く))
 先月に引き続き建具業界は低迷が続いている。今後原材料価格は値上がり、年明け早々にベニヤ板は価格が改正され、その3ヶ月後にも変動が計画されている。このような状況下、特に店舗及びリフォーム工事関係は材料不足及びコロナ関係で先行きは不透明感が強く、当建具業界への影響は甚大である。(家具・装備品製造業)
 例年だと駆け込み需要の多い年末だが、今年は思いのほか売り上げが伸び悩み前年を割り込んだ。資材価格の値上がりは若干落ち着いたように感じていたが、年明け早々1~2割の値上げ告知が合板メーカーからあった。5年度に向け、やや大きな商談が出始めている。資材が高騰している中での売上額前年割れとなっているため、実際はより厳しい内容となる。家具業界としても今はマイナス要素が多く、政府が示しているような物価上昇に比例した賃上げは簡単ではない。人材確保に向けての問題もあり経済の底上げを願う。(家具・装備品製造業)

化学・ゴム

 今月は、対前月比では出荷量は全品目において著しい変動はなかったものの、出荷額においては医薬農薬中間物が30%程度、高分子化合物が5%程度増加し、結果的に出荷額は6%程度増加している。また、対前年同月比では出荷量は高分子化合物が約25%の減となった影響で全体的に約15%程度の減だが、出荷額としては医薬農薬中間物の伸びにより全体として前年とほぼ同程度となっている。一時150円を突破した円安はやや一服しているが、相変わらず海外から輸入している原材料や燃料が値上がりを続けているため、先行きは非常に不透明である。(化学工業)

窯業・土石製品

 出荷量は前年比100%で推移しているが,前々年比で考えると90%程度となり年々減少している。(セメント・同製品製造業)

鉄鋼・金属

 前年同月比で約40%の売上増加となった。顧客の部材調達が順調にできているようで生産が回復してきている。(金属製品製造業)
 資源価格は高騰し、世界的な供給網の混乱が続いている。コロナ禍、資源価格の高騰が長期化し、結果、エネルギー価格の上昇ともなってきており、先行きが不透明である。各企業は切迫している状況である。(金属製品製造業)

その他の製造業

 12月8日・9日の東京レザーフェアに出展し、メーカーや問屋のバイヤー等と商談したものの、エナメル革を中心に引き合いはあったが本注文には至らなかった。依然として厳しい状況が続いている。(なめし皮・同製品・毛皮製造業)
 原材料の仕入が難しくなっている。仕入が出来たとしても日数がかかる。価格もどんどん上がっている。今後の見通しが立たない。(その他の製造業)
 前年同月比での売上高は増加したものの、在庫数量・販売価格・収益状況・業界の景況で企業により回答が分かれた。(その他の製造業)

非製造業

卸売業

 前月同様に商品供給においては、一部の材料関係で改善できていない。納期を確認して見積及び手配が必要。顧客に省エネ機器への関心はあるが設備更新には至っていない。コロナの感染が急拡大し、陽性者及び濃厚接触者が急増しており業務に支障が出ているため注意が必要である。(機械器具卸売業)

小売業

 12月20日に政府は令和5年1月以降の燃料油価格激変緩和対策の取扱いを発表。原油価格が令和4年1月の1バレル80$前後の水準にまで下落し、為替相場も急激な円安傾向から1$130円半ばで推移するなど小康状態にあることを踏まえ、出口戦略をスタートする。元売への補助額上限35円/ℓを1月から月2円減少させ、5月末に25円とする。なお上限の超過分はこれまで同様に半額支援を継続。6月以降も原油価格や為替等の動向を見据えつつ更なる上限額の縮減に取組む方針。業界全体として市況安定化への期待が膨らみつつある。(その他の小売業)
 年末の需要期を迎えて、ある程度需要が回復してきた感があり、コロナ慣れであったりコロナ下での生活への反発のような現象も見られる。和歌山市において実施されている「わかやまペイ」は、利用を小規模店に限る一定の「枠」を設けているため、組合員の店に於いては過去の例と比べて利用者が劇的に増えている。スマホ決済もスムーズで、入金までのサイクルも短期間、手数料なしで洗練された仕組みになっている。これまでの支援制度では大部分が大型店で使用されていたので、大変ありがたい制度である。(その他の小売業)

商店街

 急激な円高とエネルギー価格の高騰が年末にかけて落ち着いてきた。行動制限のない政策への転換の効果もあり、売り上げの減少傾向から脱却しつつある中小小売業者が出てきており、年末商戦は去年に比べ改善してきている。しかし、商店街賑わいの回復には空店舗の問題が依然として重くのしかかっている。投資が継続して行われる地域の環境整備が必要であり、組合の目的の一つとして活動していかなければならないと考える。日銀の金融政策に変化がありそう、との憶測から借入金の金利の動向に注視している。すでに住宅ローンの金利引き上げが予定されているようで、今後の動向によっては業績に影響があるかもしれない。富裕層を顧客に持つ小売業者には、金利上昇は長期的に見て業績の後押しになると思われるが、借入金の多い事業者にとっては恐怖を感じる事になると思われる。(複合業種(和歌山市))
 店舗数の減少により例年の年末商戦からかなり落ち込んだ状態となった。店舗が閉店したことを知らなかった来街者も多数有り、1月以降は更に減りそうな予感がする。(複合業種(和歌山市))

サービス業

 契約先へのガス単価見直し、一般顧客への若干の値上げで売上は微増。円相場が少し落ち着いてはきているが、依然仕入は前年より高値が続いている。売上が増加する季節(冬季)になり少し資金繰りには余裕が出来たが、まだ苦しい状況である。(ガス業)
 12月も10月11月と同様に全国旅行支援のおかげで、売上が順調に伸びており総じてコロナ前の水準に戻ってきた。1月の予約状況は今のところまだ空いている状態だが、1月10日より引き続き全国旅行支援が再開するので業況回復の継続に期待している。(宿泊業)
 12月の対前年同月比の宿泊人員は110.3%、総売上高114.5%、1人当り消費単価103.7%、総宿泊料金123.0%、1人当宿泊単価111.5%だった。2022年1月~12月の宿泊人員は845,010人で、前年同期間(2021年1月~12月)と比べると227,400人の増加である。(白浜温泉旅館協同組合)
 コロナ感染者は増加しているが、コロナ慣れもあり客足は戻ってきている。そのため前年同月比の売上高は増加している。しかし、5人程度のグループや家族単位の宴会は多いものの、大きな団体の宴会等は減少している。また、二次会等のスナックやクラブ等は微増となっている。いずれにしても人気店とそうでない店との二極化が進んでいる。全国旅行支援事業で賑わう白浜町の温泉街では引き続き増加している。コロナ禍や物価高騰により廃業等を考えている店舗が増加している。また、コロナ特別融資の元金返済が始まり、資金繰りも苦しくなってきている。(飲食店)
 11月の保有台数と前年度増減数は、登録車329,178台(-2,487台)、軽自動車419,504台(+1,531台)、車検台数は、登録車14,140台(+645台)、軽自動車13,503台(-245台)となっており、現場では若い整備士の確保が厳しくなってきている。(自動車車体整備業)
 塗料代や材料費等の高騰により厳しい状況が続いている。(自動車車体整備業)

建設業

 当組合12月の県工事受注額は前年同月比75%程度となった。9~12月の受注額で比較すれば直近10年で最低となっている。今後補正予算による発注が見込まれるため年度内の受注額は平年程度確保を見込んでいる。(総合工事業)
 新宮方面における公共工事の受注高は引き続き減少傾向にある。手持ち工事のない業者が増え、年明けの発注予定もなく不安感が高まっている。また、コロナ感染の影響が再び出始めた。(総合工事業)
 令和4年全体では、仕入れコストの上昇には目を見張るものがあり、売上があっても収益がでない状況が7月以降続いている。供給不足もあり一層の不安が懸念されるなか、令和5年のスタートに当たり過去にない危機感を持っている。税制赤字が懸念される年で、激しいインフレの恐れもあり、中小企業を押しつぶしそうな情勢にかなり心配している。金融状況では、借りたくても借りられない、例え無利子でも元金の返済計画の目処が立たない状況である。(職別工事業(設備工事業を除く))
 売上高はじめ、すべてが横ばいで推移していると思われる。物価の上昇がどのように影響するのか先行き不透明。(設備工事業)

運輸業

 原油価格は少し落ち着いてきたが、国の補助金が上下動するだけで末端の軽油価格にはなかなか反映されない。12月は業界的には繫忙の時期であり、売り上げも上がる。運送業経営上の費用増が顕著になっている中、運賃転嫁が追い付かずに資金繰りも厳しい状況である。その中で、ここにきて社会的環境変化とともに運賃転嫁機運に対する荷主の理解も得られるようになり、元請を中心に運賃見直しも進んでいる。二次三次への転嫁が課題である。(道路貨物運送業)
 当組合の有田地域では、温州ミカンの出荷が最盛期を迎え、青果輸送関連の組合員の業況は活気のある年末となっている。軽油価格は需要の多い12月に少し安定してきているように思える。(道路貨物運送業)