【2023年1月分】景況調査

【2023年1月分】前年同月比の景気動向

増加・好転  不変  減少・悪化
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売上高 収益状況 資金繰り 業界景況
製造業 食料品
繊維工業
木材・木製品
印刷
化学・ゴム
窯業・土石製品
鉄鋼・金属
その他
非製造業 卸売業
小売業
商店街
サービス業
建設業
運輸業
DI値 − 5.0 − 22.5 − 17.5 − 32.5

(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)

製造業

食料品

 通販以外の販売は依然として芳しくない。また、メーカーの原料仕入れも低調。(食料品製造業)

繊維工業

 従業員の賃金アップと騒がれているが、縫製業では加工賃の受け値が上がらない限り賃金アップは不可能。加工賃2~3%をアップしていただいたとしても光熱費や仕入れの値上がりの補填で消えてしまう。(繊維工業)
 前年同月比での売上高は増加した。昨年から続く原料価格の高騰や製造経費の上昇で、複数回にわたり販売価格をアップしているものの、この売上高の増加が利益に繋がっているのかは決算をみないと分からない。作業用手袋や靴下は機械で編み立てした後、手作業でミシン掛け工程を行っている。しかし、このミシン掛け技術を持った作業員の高齢化が進んでいるなか、人口が減少している地域では作業員を募集しても後継者が見つからない。製造経費の増加と同様に業界における大きな問題点となっている。(繊維工業)

木材・木製品

 令和4年12月の新設住宅戸数は全国で67,249戸と3ヶ月連続の減少、全体で前年同月比1.7%の減となった。持家は13ヶ月連続の減少で前年同月比13.0%減少。民間資金は12ヶ月連続の減少、公的資金も14ヶ月連続の減少となった。貸家は22ヶ月連続の増加で、前年同月比6.4%増加、分譲住宅は先月の減少から再びの増加、内マンションも再びの増加となった。近畿圏の新設戸数は10,986戸で前年同月比7.7%増加した。貸家の37.0%増が牽引したよう。県内の新設住宅戸数は444戸で前年同月比1.1%の減少。令和4年次の新設戸数は859,529戸で、ほほ昨年並みで一昨年より約4万戸増加。プレカットは年末の予想どおり低調で、2月の稼働率が若干上昇しそうとの声もあるが、長期金利の上昇で住宅着工が今後さらに厳しくなる可能性から慎重な見方が増えている。県内の原木市は初市を終えたが、出材量、材価とも昨年の初市並の水準だった。(木材・木製品製造業(家具を除く))
 前月同様、業界を取り巻く情勢は原材料不足、原材料価格の高騰などにより混迷を極めている。仕事量に関して零細企業は特に減少している。仕事が存在しても、その仕事の内容は大手工場では対応困難な形状種類の物が若干振り分けられる程度である。規格外の形状が多くを占め、その部材を入手するのが困難であり、手間と時間を要するものになっている。(家具・装備品製造業)
 このところ、組合内外問わず各事業所の業績の差が大きくなっている感がある。十分に需要が回復していないのも一因だが、発注先の選択がシビアになり、条件が良い事業所に依頼が集中する傾向がでている。人材確保について 効率化には優れた木工機械が必要だが、オートメーションの加工機を積極的に導入してきた事業所で職人がいなくなり、トラブルや顧客の要望に対応できなくなったと言う話を聞いた。効率化と技術継承は今後の課題になると思われる。(家具・装備品製造業)

化学・ゴム

 今月は、対前月比では出荷量において高分子化合物が30%近く落ちて、出荷額も高分子化合物が20%程度落ちており、結果的に全体の出荷量は15%、出荷額は7%の減少となった。対前年同月比では出荷量は高分子化合物が約40%の減となった影響で、全体的に約25%程度の減で、出荷額は高分子化合物が25%、染料顔料は+15%で全体としては13%となっている。相変わらず海外の原材料や燃料が値上がりを続けているため、事業の採算は厳しいものがある。(化学工業)

窯業・土石製品

 県南一部地域で販売価格の値上げが実施された。その他でも値上げの準備が行われている。(セメント・同製品製造業)

鉄鋼・金属

 前年同月比で約33%の売上増加となった。顧客の部材調達が順調にできているようで生産は回復している。(金属製品製造業)
 全体として、売上げは回復傾向にはなってはきているが、販売価格、収益が伴っていない状況である。原材料やエネルギー価格の高騰により、各企業は価格転嫁が難しい中、生産コスト削減を目指してラインの改善、加工方法、手順等の見直しを行っている。(金属製品製造業)
 和歌山製鉄所(日本製鉄関西製鉄所)の業績が良くなってきているが、下請企業にまで明るい兆しは見えていない。(金属製品製造業)

その他の製造業

 1月は例年でも売上が悪い月ではあるが、今年はより一層悪い。2月の売上増に期待している。(なめし皮・同製品・毛皮製造業)
 ますます原材料の入手が難しくなり、顧客からの注文が来ても製造できない商品もあり大変困っている。更に、材料入手困難・高齢化による廃業者も増え、廃番にせざるを得ない商品が出てきている。(その他の製造業)
 売上高、在庫数量、雇用人員は、増加・不変・減少の回答がそれぞれあったため結果的に不変とした。販売価格は上昇ではあるが不変の声もあり、収益状況も悪化ではあるが不変の声もある。12月に一山超えているため、同年前月比売上高は減少した。(その他の製造業)

非製造業

卸売業

 新年が始まり、全国的な建設非住宅の動向は、コロナ禍の需要低迷からの回復による観光施設、都市部の再開発、2025年大阪万博、その後のIR構想での建設需要が期待されるが、和歌山県においては、昨年同様か更に厳しい状況が予想される。商品供給においては、ロシア・ウクライナ情勢の影響でグローバルサプライチェーンが崩壊し、慢性的な品不足で納期遅延となっている。慢性的な人手不足となっており対策が急務である。(機械器具卸売業)

小売業

 食用油等の原材料価格高騰が続くのを受け、販売価格を3~5%上げたことにより、収益状況は軽微な好転となった。(飲食料品小売業)
 2020年1月に菅前政権が発表した「2035年新車乗用車の電動化100%」方針以降、石油販売業者の多くがSSの維持・継続に対し大きな不安を抱え、2年が経過した現在も今後の行く末を模索し続けている。そうした中、エネルギー供給拠点としてSS経営を維持・継続しようとする事業者を支援するため、昨年度と同様に政府は補正で180億円の大型予算を措置した。2月下旬に公募が開始される補助事業の活用に向け、事業者が自社の将来構想について思い悩む新年の幕開けとなった。(その他の小売業)
 コロナ対応は未だ未だ続くが、深刻なピークからは回復してきて、反動の消費も見うけられる。和歌山市の「わかやまペイ」はそろそろ終わりを迎えるが、小売店にとっては引き続き売り上げ増につながっている。(その他の小売業)

商店街

 エネルギー価格の上昇が固定費を引き上げ、利益を圧迫している状況が依然として続いている。1月下旬からの厳しい寒波により使用量が増加し2月の請求額が予測できない。消費者も同じ事情で、消費意欲は旺盛とは言えず売り上げは思うように伸びない。まだまだ我慢の冬が続きそう。1月に「がんばろう!商店街事業」を実施した。和歌山の地酒販売、古書市、ストリートピアノ演奏、歴史パネル展開催で、多くの方々にお越しいただき好評であった。空店舗に対する具体的対策が求められている。組合で対応できる範疇であればよいが、それを超える問題を抱えた物件はどうにもできない。金融状況は不透明で急激な変化がいつ起こるのか、緩やかになるのか、現状維持で推移するのか、予測できない。(複合業種(和歌山市))
 閉店続きに加え、寒波の影響が商店街にも押し寄せ、売上が減少している。(複合業種(和歌山市))

サービス業

 各種エネルギーの販売価格の上昇により、顧客は節約傾向にあるのか売上が減少している。大人数を集客する販売フェア等は軒並み中止しているが、衣類ガス乾燥機の無料貸し出しキャンペーンを行っており、各組合員も積極的に取り組んでおり順調に売上がある。(ガス業)
 1月の景況感は、あまり良くない・まあまあ良かった、の二通りに分かれた。全国旅行支援セカンドはあまり伸びていない。インバウンドについては、白浜を中心とした地域で欧米、東南アジアからの観光客が戻りつつある。(宿泊業)
 1月の対前年同月比の宿泊人員は129.1%、総売上高131.0%、1人当り消費単価101.5%、総宿泊料金131.5%、1人当宿泊単価101.9%だった。2023年1月の宿泊人員は61,993人で、前年同期間(2022年1月)と比べると13,962人の増加である。また、1施設が経産省「事業再構築」、1施設が観光庁「高付加価値化」の補助金によりハードを改修している。(白浜温泉旅館協同組合)
 コロナ感染者も減少してきて、コロナ慣れもあって客足は回復傾向で売上も前年より増加している。地元に帰省する人が増えたが、少人数グループや家族単位の宴会が多く大きな団体の宴会等は減少している。二次会等のスナックやクラブ等は微増にとどまり厳しい状況。全国旅行支援で賑わう白浜等の温泉地は、引き続き増加している。コロナ禍と物価高騰により収益性が悪化し、廃業する店舗が増加している。また、新規創業資金の借り入れも減少している。コロナ特別融資の元金返済が始まり資金繰りも苦しくなっている。(飲食店)
 12月の保有台数と前年度増減数は、登録車328,948台(-2,501台)、軽自動車419,956台(+1,908台)、車検台数は、登録車13,597台(-536台)、軽自動車13,570台(-1,224台)となっている。また、普通車の車検証が電子車検証化され、一部の事業場では設備的にもきつくなってきている。(自動車整備業)
 組合員事業場における自己チェック、診断、検証及び対策が講じられるように「コンプライアンスチェックシート」を発行し、各事業所において活用し周知徹底を行う予定。(自動車車体整備業)

建設業

 1月の県工事受注額は前年同月比25%程度と大幅減になっている。補正予算による発注が待たれ、年度内の受注額は平年程度確保を見込んでいる。(総合工事業)
 当地域における公共工事の受注高は引き続き減少傾向にある。手持ち工事のない業者が増加しており、補正予算での発注が期待される。年明けからコロナウイルス感染症の影響で事務所や現場がストップする事例も見られる。(総合工事業)
 昨年に引き続き程度で何ら影響は見られず、全体的に工事量は減少傾向にあるよう。これから2月3月にかけ資材値上がりの影響により特に新築住宅が減少すると思われ、国の補助金制度を利用したリフォームプランの工事商戦が増加しそうな様相。(職別工事業(設備工事業を除く))
 前月と変わりなし。ただ、「1月はコロナ感染者が急速に増加した影響で、従業員の欠勤で現場や事務所の仕事に影響があった。」と、いう声は何件か聞いている。(設備工事業)

運輸業

 業種別の程度の差はあるが、全体的に荷動きは悪い。軽油価格は前年より若干下がったが、高値の水準であり、厳しい経営環境が続いている。賃金アップが取り沙汰されている中、運賃転嫁が追い付かない現況ではそれに応えることが難しい。その中で、待ったなしでやって来る2024年問題にも対応しなければならず、ドライバーを確保するのに懸命である。(道路貨物運送業)
 新年を迎え、例年どおり中旬あたりから事業活動も動き出すかと思った矢先に、大寒波の襲来を迎え、事業活動に水を差された様な状況。(道路貨物運送業)